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| © TRILOGY Corp. and K.Morimoto 1998 |
ハッスル!!とき玉くん
CG 動画(プロモーションビデオ)
作者: 森本 晃司(作・演出)
(日本)
森本 晃司
1959年和歌山県生まれ。大阪デザイナー学院卒。 1980年アニメーション制作会社マッドハウスにてTVシリーズの動画・原画を担当の後、84年よりフリーとして活動。 1988年『フランケンの歯車』で初監督。 1989年大友克洋作品『アキラ』で設定・作画監督補となる。 1991年オリジナル劇場用作品『とべ!くじらのピーク』を監督、同年にはスタジオ4℃創立メンバーとして活動を開始し、オリジナリティあふれる森本晃司独特の世界観および、映像スタイルで全世界から注目されている。
──最初に森本さんのバックグラウンドについて伺います。まず、この道に入るきっかけとなったアニメは何でしょうか。
最初は『宇宙戦艦ヤマト』。それから『ガンバの冒険』ですね。あとは『未来少年コナン』とか『ルパン三世』。出崎統と宮崎駿、この二人は作品を観てて面白いなと。
──漫画ではどうですか。
桑田次郎さんとか松本零士さんとか、かっちょいいのが好きでした。あと望月三起也さんの『ワイルド7』。それで学生のころに大友克洋さんを知って、なんか不思議な感じというか、手塚治虫の流れでもないし劇画風でもないし、映画風というか。ああ、こういう漫画があるんだと思いました。
──影響を受けた映画にはどんなものがありますか。
最初はただ面白いってだけで色々観てたんですけど、仕事をし始めるようになって変わりましたね。決定的だったのがタルコフスキーの映画で、強烈に見方が変った。27歳くらいのときかな。それまでは、何かが壊れたりとか、爆発したりとか、見た目のダイナミックさが好きだったんです。でもタルコフスキーの映画では、ダイナミックな物理的破壊はないんだけど、精神のほうが破壊されているんです。それに衝撃を受けて、精神的な揺らぎというか、そういう方向に興味が移っていった。特に最近は、何も行われてないのに崩れていくというか、ゆがんでいくというか、そういうものがすごく好きです。
──音楽では?
似たような意味でノイズやテクノに影響を受けています。ノイズを聴いていて思ったのは、ピークを超えて10分も20分も聴いていると白くなっていく。本当に破壊されるんですよ。で、その向こうに──たぶん体が嫌がってるんで──逆に自分が欲している音が聞こえたりする。テクノも反復的で、音楽を聴くというのではなくて、その音楽が意識として感じられなくなったその向こうというか、一旦ゼロになってしまう。それくらい聴き続けると空気のようになっちゃうんです。反復だからもう新しいものはない。 16~18歳のころクラシックを聴いていて、『ボレロ』が好きで、よく考えたらあれも反復ですよね。だから話をつくるときは、そういう音楽を聴いて、イメージをその上にかぶせたり、言葉をかぶせたりします。そういう音楽は音楽というより装置なんですね。
──映画ではフェリーニも好きだとどこかでおっしゃってましたが。
特に後期のフェリーニですね。世の中って結局、映像も含めてまやかしじゃないですか。それを最初から宣言してしまっているのが後期のフェリーニで、海なんかにしてもビニールでやったり。でも観ている人にとっては、海だと思える気持ちのほうがやっぱり必要かなと。まあ記号化だと思いますけど、そういうのがいいなって思います。アニメーション自体がそうなんで。
──そのような心境の変化のせいでしょうか。『メモリーズ』以前と以降で作風が変わりましたよね。
あれはもう決定打でした。ロココ調とか華美な装飾を書いていくんだけど、書けば書くほど、自分がいないんですよ。そうなってくると、そこに住んでいるわけでもないのに何を書こうとしているんだろうと。だったら自分たちが知っているアイテムのほうが面白いんじゃないかなと。で、それをどうくっつけるかという。 世の中みんなリミックスだと思うんですよ。みんな知っているものだからこそ驚くわけで。ぶっとんでもいいんですけど、あんまりとびすぎちゃうと、知らないよってことになるかもしれない。まあ、そこのバランスが大切だと思います。
──技術的な部分では、CGや3Dについてどう思われますか。
特にこだわりはないですね。『鉄コン筋コリート』をやったときは、あまりにも世の中がリアルに向いてたんで、自分はアニメーション畑だし、そういう意味ではもっと平面が面白いんじゃないかと。自分の思っていることを、なんでそんなにリアルにしちゃうんだろうと不思議でしょうがなかった。そういう意識はありましたね。
──4℃のサイト『ビヨンドシティ』や最近の作品を観ていると、居酒屋など日常的な舞台が多いですよね。エンタテインメント性を意識してのことでしょうか。
意識はしてますが、やっぱり不条理がテーマですね。普通の生活をいかに書くかが重要で、それが書けないかぎり不条理は成立しないと思います。SF感っていうのもずいぶん変わっちゃって、昔はメカが飛んでくれればSFかしらと思ってたけど、今はじいちゃんとばあちゃんがいる風景の中で、コップが浮いているほうがなんぼかSFかなと。それでじいちゃんが「もう少し昔は元気だったのにね」とかって言っている。あ、昔はもっと浮いていたんだ、と(笑)。
──実写でやりたいものってありますか。
ええ、すごい作り物の実写をやりたいですね。あと四次元的なもの。
──四次元的というのは?
時間の流れがそれぞれ違うというんでしょうか。たとえば、人ごみの中で浮浪者を探すのは難しいと思われるかもしれないけど、ただカメラのシャッタースピードを長時間あけただけで浮浪者は見つかる。それは、たぶんその人の時間が違うんですよね。もしかしたらその人にとっては、ほかの人はみんな風のようにしか見えてないかもしれない。それぞれ時間が違う、そういうものが存在していてもいいんじゃないかと。 吉祥寺に「いせや」っていう焼鳥屋があって、朝11時ぐらいからやってて、時々朝から飲みに行くんですよ(笑)。たぶん外から見てると、なんか胡散臭いやつらが飲んでるな、みたいな感じですけど、中に居ると夜中みたいで、いいかげん1時間くらい焼酎飲んでたりすると、外の光っている風景がむちゃ眩しいんですよ。目が夜スイッチになっているもんだから、なんかキラキラしてて。その中から見ている向こうはSFなんですよね。
──『ブレードランナー』や『AKIRA』以来の、近未来や廃墟に代わるビジョンはあると思いますか。
廃墟が好きなところはあるんですけど、この次は生い茂った緑なのかなと思ったり。わりと荒廃しているイメージはないですね。クリーンなイメージ。
──ソフトな管理社会というイメージでしょうか。
昔の社会主義よりも今の自分たちのほうが管理されている部分があるんですよ。見た目がわかりやすいかわかりにくいかの問題だけで。昔は1999とか2000とかに、何か変わるかもしれない変えられるかもしれない、と世の中が思ってた時期があったと思いますが、今はなんにもない。誰か2030年に滅ぶと言ってくれれば、とりあえずまたどうすべきかと考えられるんですけど、今は大海原にみんな投げ出された状態だと思うんですよ。そういうときに、何を支えに作品をつくっていくんだろうとか思いますよね。
──森本さんにとってはそれは何ですか。
僕は「内面」ですかね。これまでは外側に何かあるかなって思っていたんだけれど、そこにも興味がなくなって。ほんとうは宇宙に向かってどんどん飛んでいってくれればね。アポロの衝撃以降、まだ宇宙ステーションもないし、先細りですから。そのせいか内面的な作品って増えたじゃないですか。『キューブ』とか『マトリックス』とか。まあ結局みんなそっちのほうに興味が向いたのかなと思ったりしますよね。
──次の作品はどのようなものになりますか。
次元的というか、新しい次元がもう一個くっついているというようなものをつくりたいですね。まだ仮題なんですけど、『次元爆弾』。もっとくだけたタイトルにしようとも思ってるんですけど。
| 1995 『MEMORIES』 | ||
|   | 1995 『EXTRA』 | |
| 1997 『ハッスル!! とき玉くん』 | ||
| 1997 『音響生命体ノイズマン』 | ||
| 1998 『永久家族』 | ||
| 1999 『鉄コン筋クリート』 | ||
| 2001 『空中居酒屋』 | ||
| 2002 『次元ループ』 | ||
| tool | Photoshop、チョコレート、マーカー(copic) | |
| artist | 須田一政、マット・マハリン、エンキ・ビラル、メビウス、小林伸一郎、寺山修司、デビッド・リンチ、安部公房、逆柱いみり、大友克洋、アンドレイ・タルコフスキー | |
| resource | イエロー、アート・オブ・ノイズ、ジ・オーブ、ハイロウズ、ブルーハーツ |
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