平成15年度[第7回]文化庁メディア芸術祭
平成11年度[第3回]文化庁メディア芸術祭 受賞作品

アート部門

青の軌跡
© 鈴木太朗
奨励賞

青の軌跡

インタラクティブアート

作者: 鈴木 太朗

(日本)

MOVIE

※動作環境に関してはこちら

作者プロフィール

鈴木太朗

鈴木 太朗

1973年東京葛飾生まれ。 機械、電子部品を使用し水など自然のものを表現素材にした時間軸のある作品を制作。 2000年、東京藝術大学卒業制作展デザイン賞。 同作品、気泡表示システムを著作権登録。 文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品に。 その後アジア・デジタルアート・アワード部門大賞、世界水フォーラム作品展示。 芸術科学会DiVA展大賞ほか受賞、出展多数。現在、東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程。

受賞コメント

作品「青の軌跡」は "風" をモチーフとし、デジタル制御によるアナログでのアウトプットを表現手法としています。 最終出力を自然媒体にすることで、デジタルでは表現することの出来ない「アナログならではの良さ」を追求し、デジタル制御を感じさせない表現にすることが本制作の狙いです。 制作意図を御理解頂き、文化庁メディア芸術祭奨励賞という名誉ある賞を受賞したことを大変嬉しく思います。

贈賞理由

暗くした空間の中央には白い台が置かれ、その周囲で人が動くと青い光のパターンが幻想的に変化する。 白い薄布で覆われた天板の内部にはマトリックス状に四角い凹みが配置され、その中の小さなプロペラが回り始めると布が風を受けてわずかに持ち上がるために、凹みの奥からの青い光が柔く広がる。 意外性のあるアイディアで、竹とんぼのようなプロペラがこんな変化を可能にするのが面白い。 風と布というアナログな素材が生きている。

11のQ&A

Q1
初めて「創作」を意識した時に、表現手法として使用した道具は何ですか?
A1
紙、セロファンテープ、ハサミ。
Q2
それは何歳の時で、何を創作しましたか?
A2
小学校のときサランラップに絵を描いて、豆電球による映写機(?)を作って家庭訪問で先生に見てもらいました。
Q3
今までの作品を通して、共通して持ち続けている理念やテーマは何ですか?
A3
自然が創り出す様々な“かたち”は時間とともに、刻々とその姿を変えていきます。自然が成す“かたち”はとても美しく、また楽しくもあり、とても興味が持てます。私はそのような感動を味わえるものを目指し、イメージを“かたち”にしていきたいです。
Q4
「テクノロジーとの接点」を感じる時は? また、メディアアートとアートの共通点/相違点は?
A4
時間軸で作品を表現する上で、自分の意図した動きをテクノロジーを使って作品に与えることが出来た時です。 “メディアアート”と既存の“アート”は、自分のなかでは特に区別していません。
Q5
現在使用している創作ツールは、自分の 作品にどんな表現をもたらしましたか?
A5
「Apple PowerBook」 私の過去の作品はアナログ制御がメインでしたが、パソコンを取り入れることで表現の幅が広がりました。作品の動きに自分の制作意図を反映させやすくなったかなと思います。
Q6
自身のテーマおよびメディアアートは、時代と共に変わっていくと思いますか?
A6
自分の持ち続けているテーマは今後も一貫していきたいと思っています。時代とともに、テクノロジーの進化によって表現手法は広がっていくと思いますが、それらを使いつつも表現するうえで、テクノロジーを意識することのない作品を作っていけたらと思います。
Q7
最も得意とする表現方法は? また、作品が社会に与える影響はどうあると思いますか?
A7
“得意”というか心がけているのは、作品を制作するときに、自然の現象や素材の力など、デジタルテクノロジーとは対極にあるモノを大事にする、ということ。 現代においては、そうすることが「モノばなれ」などの社会現象に対するメッセージであると考えています。ホームページや映像などのメディアでの紹介を見てそれで満足してしまうのではなく、実物を見たくなるような、そんな作品を生み出していければと思います。
Q8
座右の銘は?
A8
継続は力なり
Q9
どんなときにインスピレーションを感じることが多いですか?
A9
外を歩いている時、風の吹いている日、雨の日、夕暮れ、日常。
Q10
今後の活動展開についてのビジョンは?
A10
もっと作品が街の中に溶け込んでいったら、と思います。
Q11
あなたが影響を受けたモノ、ひとは?
A11
・両親
父・アマチュア写真家、母・書道、華道、着付け、琴、純和風。 意識しているわけではないけれど、自分の物の見方に大きく影響しているのは確かです。

・東京芸術大学 伊藤隆道教授
大学に入ってから知ったのですが、小さい頃からスゴイなと思っていた作品が、気づいたらほとんど先生の作品でした。現在、伊藤隆道教授に師事しています。

・東京大学 荒川忠一教授 松村誠一郎
教授に作品を気に入っていただき、東京大学に通うことになり、公募展に出すなど、社会と結びつくきっかけを作ってくれた方です。パソコンでの制作もこの時からです。

・アトリエオモヤ
2003年秋より松山真也、八木澤優記との3人で始めたアトリエ。廃業した銭湯の母屋部分を借りています。1階に釜、庭には煙突あり、だが風呂はなしという場所で夜な夜なアート、その他について討論(?)をしています。

ページ上部へ戻る

Pick Up Archive 今こそ読みたい。これまでの記事をご紹介

中村 勇吾

巨匠インタビュー
中村 勇吾

ボツになるほど、引き出しが増えていくということですから...

トーチカ

作家インタビュー
トーチカ

作品をつくろうと思ってつくったものじゃないんです。始まりは...

竹宮 惠子

巨匠インタビュー
竹宮 惠子

スランプでも描くことをやめなかったことが、一番私を救ったと思う...

渋谷 慶一郎

コラム:データミュージアムは可能か? 渋谷 慶一郎

電子音楽とメディアアートの関係について考えてみると、その2つの...

押井 守

巨匠インタビュー
押井 守

実写であれ、アニメであれ、僕が一貫してやってきたことは...