平成17年度[第9回]文化庁メディア芸術祭
平成11年度[第3回]文化庁メディア芸術祭 受賞作品

アート部門

Gate vision
© 小林 和彦
優秀賞

Gate vision

映 像

作者: 小林 和彦

(日本)

MOVIE

※動作環境に関してはこちら

作者プロフィール

小林 和彦

小林 和彦

1979年、静岡県生まれ。東北芸術工科大学・修士課程にて映像を専攻。純粋な3DCGアニメーションのほか、デジタルカメラやデジタルビデオによって撮影された実写を素材にしたCG表現の研究を行なっている。

受賞コメント

このたびはたいへん名誉ある賞をいただきうれしく思っています。これまでさまざまな場で私を叱咤激励してくださった多くの方々に感謝の言葉を捧げます。本作品では実写映像のリアルさを活かしながら、いかに非現実的な映像をつくることができるかを試みました。作品の制作手法はシンプルなものですが、そこから生まれる映像が最大限おもしろいものになるよう試行錯誤しました。

贈賞理由

新幹線が山形駅を出発した。ふつう、電車を使った表現は横に流れるものだが、この作品では独楽のように中心に向かって動きだす。自然や都会の表現が変わっていておもしろく、うす墨の動きがきれいだ。新幹線がスピードを上げると見ている側の目もまわる。まるでブラックホールに吸い込まれていくみたいだ。一度この作品を見てしまうと、目を離すことができなくなるから不思議。緑が多い山形からだんだん都会に入ってくるという単純な設定が成功している。最後に「とうきょう」という文字が目に入り終わる。

11のQ&A

Q1
初めて「創作」したのは何歳でしたか? またどんな道具を使って、どんなものを創作しましたか?
A1
明確に創作を意識したのは18歳。道具はシンセサイザーで、つくっていたのは楽曲。
Q2
現在使用している創作ツールはどのようなものですか? また、そのツールを選んだ理由をお書きください。
A2
コンピュータ、シンセサイザー、デジタルビデオカメラ、デジタルスチルカメラ。これらは比較的安価で、誰もが入手できて、扱いやすいから。
Q3
あなたが思い描く「夢の創作ツール」とは?
A3
世界を自在に操る力。たとえば太陽の位置を動かすとか、重力の向きを変えるとか、ある部分だけ時間を早めたり戻したりして、その結果を他者に感じさせることができるツール。
Q4
これまでの作品に共通するテーマはありますか? あるとしたら、そのテーマとはどういったものですか?
A4
唯一無二かつ普遍的。かつて誰かのつくったものではない未知の経験と、その魅力を多くの人に伝える。
Q5
作品をつくるうえで最も苦労する部分、またはこだわる部分はどこですか?
A5
こだわるとしたら、誰も作った事の無いものをつくる、あるいは誰も考えなかったことをする。それゆえに孤独な戦いを強いられることが多いのが、最も苦労する部分。
Q6
自分の作品が「メディア芸術」だと意識したことはありますか。また「メディア芸術」は既存の「芸術」と比べて、どんな違いがあると思いますか?
A6
作品によってメディア固有の特性が最大限発揮されたときに、自分の作品がメディア芸術であると意識する。メディアを特定の表現のための手段としてではなく、道具としてとらえ、新たな活用方法を発見していくことが既存の芸術とメディア芸術の違いではないかと思う。
Q7
アーティストとして、いつもどのような姿勢(スタンス、または観点)で作品を制作していますか?
A7
つねに作品やアイデアと真剣に向き合う。どのような他愛のないことであっても、真剣に向き合うことで見えてくる事実があると考えている。
Q8
座右の銘は?
A8
「奇跡は必然の連鎖から」
Q9
どんなときにインスピレーションを感じることが多いですか?
A9
日常生活全般。世間話をしているときや、考えごとをしているときに目に入った光景からインスピレーションを感じることが多い。また移動中の風景からインスピレーションを感じることも多々ある。
Q10
今後の活動展開について、どのようなビジョンを持っていますか?
A10
自分が今までやってきたこととは異なる分野に挑戦して、これまでとは異なる考え方や価値観に触れることで、さらに広いビジョンをもてるように活動展開していきたい。
Q11
あなたが影響を受けたモノ、ひとは?
A11
・シンセサイザー
音楽の演奏ではなく、音をつくるための楽器があるということに魅力を感じた記憶がある。

・映像作品としてのコンピュータ・グラフィックス
それまでゲームや映画、コマーシャルの中だけのものだと思っていたCGとはまったく違う、CGそのものの魅力を前面に出した映像作品が存在することに驚き、感動した。

・インターネット
遠くにいる知らない者同士が共通の話題という枠の中で激しく議論を繰り返す姿や、その深く洗練された議論に触れることで視野が大きく広がった。

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