
+CRUZ
クロス・クルーズ。アートディレクター、デザイナー、CMディレクター。アジアの文化、ビジネスへの強い関心からW+K東京LABに参加。アート、デザイン、映像とデジタルが交差するクリエイティブに焦点をあて、メディア・ハイブリッドの新しい可能性を追い求めている。NIKE『PRESTO』で東京 ADC賞など、受賞歴多数。
『WAMONO』は日本文化とアイデンティティをたたえる作品です。日本の音楽、昔話、アートやテクノロジーを探り、ハイブリッドな映像表現で日本の歴史をリミックスしています。現在再生しつつある日本文化はその影響を世界に広げており、絶え間なく変化する世界においてその文化的アイデンティティはかつてないほど重要になっています。私たちは『WAMONO』を通してその動きに貢献しています。
CG表現は、現実の模倣の手法という従来の方向から脱し、リアルでもバーチャルでもない新たな表現として変化し始めているが、この作品はそのムーブメントの象徴といえる。『HIFANA』というミュージシャンの音楽『WAMONO〜和モノ〜』のプロモーションビデオとしてつくられたというこの作品は、日本の浮世絵のテイストを用いつつ、そこに奇妙なキャラクターを入れ込むことで、これまでにない絵画世界をつくりだし、音楽と融合しながら生き生きとした世界観として見るものを魅了する。従来の手法よりもひとつ高次元に進んだCG作品として評価された。
初めて「創作」したのは何歳でしたか? またどんな道具を使って、どんなものを創作しましたか?
4、5歳のときだったと思います。マジンガーZやスーパーフレンズを鉛筆やクレヨンで描いていた記憶があります。7歳のときにペンキや砕いた卵の殻でグレイハウンドのモザイク画をつくりました。14歳のときにデュラン・デュランのニックローズの似顔絵を。17歳のときに鉛筆と木炭でThe Cureのロバート・スミス、The SmithsのモリッシーやDepeche Modeのファッションイラストレーションを描きました。
現在使用している創作ツールはどのようなものですか? また、そのツールを選んだ理由をお書きください。
コンセプトづくり、ディレクションとライティングはアイデアや物語、そしてスクリプトの基盤となるものなので、最も集中して行なう作業です。コンピュータ、ビデオカメラやスケッチは多く使いますが、機械などにはあまり頼りすぎないようにしています。ビデオカメラは現実のものを探索するときに、そしてコンピュータはファンタジーや空想の世界をつくりあげるときに便利です。そして僕は現実と空想の世界を混ぜる新たな手段を常に探索しています。
あなたが思い描く「夢の創作ツール」とは?
アイデアを考えるだけでコンピュータが自動的に制作やビジュアル化をしてくれる日がくればいいですね。そうすればクリエイターは手間のかかる制作作業に時間をとられずアイデアを考えることだけに集中できますから。テレパシーでクリエイティブ作業ができるみたいな。でも実際に手をかけてつくるという作業のなかで多く学ぶこともありますから。
これまでの作品に共通するテーマはありますか? あるとしたら、そのテーマとはどういったものですか?
アジアと歴史と日常の体験が僕の作品に共通するテーマです。僕は地球のあちらこちらを迷子になりながら探検するのが大好きです。機会があれば旅行をして、道に迷い込み、映画を観たり、美しいものを見たり、タイや韓国料理を食べながら人々の生活を感じ取り、幸せや今という時代を探ります。モーションデザインやデジタル映像のアイデアは自然の現象などから得るものが多くあります。中国世界遺産の九寨溝の自然の中で風になびく葉っぱを見たり、嵐の漓江で揺られていると多くのことを学びます。
作品をつくるうえで最も苦労する部分、またはこだわる部分はどこですか?
複数のクリエイターをディレクションしながら、自分のビジョンに忠実でいることが最大のチャレンジです。僕自身、ときどき混乱してしまうことがあります。ひとつの作品をつくりあげるには、僕のビジョンだけではなく、スケッチアーティストやアニメーターなど複数のパートナーがいます。そしてクリエイティブの完全性、スケジュール、予算を上手にバランスしなければいけません。僕はよく完璧主義者でみんなを限界まで押しすぎると批判されますが、バランスを保つのは難しいことです。
自分の作品が「メディア芸術」だと意識したことはありますか。また「メディア芸術」は既存の「芸術」と比べて、どんな違いがあると思いますか?
僕はストーリーを語る方法を色々と模索していて、メディアはひとつの手段です。僕の作品は、伝統的なものや新しいものなど色々なメディアをリミックスしてひとつの表現にした「ハイブリッド」なものだと思っています。メディア芸術は既存の芸術で表現することのできなったものを表現することを可能にします。今、芸術は移行していて、アーティストの考え方も試されている時期だと僕は思います。
アーティストとして、いつもどのような姿勢(スタンス、または観点)で作品を制作していますか?
僕は作品を通じて常に新しく、違ったことを試す努力をしています。それは新しいテーマであったり、スタイルであったり、技術的なことであったりしますが、そうすることで僕自身学び続けることができるからです。また可能な限り新しいアーティストやクリエイターとのコラボレーションも心がけています。人生は終わりなき知識の追求です。常に新しいことを学ばなければいけません。
座右の銘は?
「全てのものは、発見されるために存在している」
どんなときにインスピレーションを感じることが多いですか?
戸惑いの瞬間…。それはプロジェクト完成の間際に何が正しく何が間違っているかわからないとき、何が格好よくて何が格好悪いものか判断できなくなったりしたとき、自分が新しい領域に突入したことに気付きます。何もかも上手くいかなくなって混乱しているときに、不思議と全てが魔法のように解決すると最大のストレスと満足感を同時に味わえます。混乱は良いことでもあるのです。
今後の活動展開について、どのようなビジョンを持っていますか?
いつの日か自分がどんな長編映画をつくるのか空想にふけったりします。その日のために日ごろの生活や仕事の中で色々試したり、わざと迷子になってみたり、全ての感情を感じる努力をしています。それらの感情を作品の中で表現できるように。好奇心はいつか僕の身を滅ぼすかも。でも僕はより深く、実のあるものを人類に提供したい。その想いがあるから頑張れる。
あなたが影響を受けたモノ、ひとは?
・祖母
価値観やモラル、そして人間としての僕を形成してくれた人。いつの日か彼女ほどの影響を、僕も人々に与えることができればと思います。
・Alex Yang(デザイナー/映画制作者)
人生において見て、感じて、愛する全てを教えてくれた人。常に僕にインスピレーションを与え、成長させてくれた。苦しい愛の経験は、最良の糧になる。
・John Jay(W+K東京LAB クリエイティブ・ディレクター)
17歳のときからの良き指導者であり、僕を常に励まし、信頼し、クリエイティブ面での僕を育ててくれた人。けしてあきらめず、全てに対してチャレンジしている。ジョンと僕はアジアに対して共通した夢、目標とビジョンをもっています。
・その他
探検することの楽しさを教えてくれたクリス・マルケル監督の『ラ・ジュテ』、ジャック・クストー、カール・サガン、インディアナ・ジョーンズとスーパーマン。
価値観やモラル、そして人間としての僕を形成してくれた人。いつの日か彼女ほどの影響を、僕も人々に与えることができればと思います。
・Alex Yang(デザイナー/映画制作者)
人生において見て、感じて、愛する全てを教えてくれた人。常に僕にインスピレーションを与え、成長させてくれた。苦しい愛の経験は、最良の糧になる。
・John Jay(W+K東京LAB クリエイティブ・ディレクター)
17歳のときからの良き指導者であり、僕を常に励まし、信頼し、クリエイティブ面での僕を育ててくれた人。けしてあきらめず、全てに対してチャレンジしている。ジョンと僕はアジアに対して共通した夢、目標とビジョンをもっています。
・その他
探検することの楽しさを教えてくれたクリス・マルケル監督の『ラ・ジュテ』、ジャック・クストー、カール・サガン、インディアナ・ジョーンズとスーパーマン。
![平成11年度[第3回]文化庁メディア芸術祭 受賞作品 平成11年度[第3回]文化庁メディア芸術祭 受賞作品](/festival/images/h1_jusyousakuhin2005.gif)








