平成17年度[第9回]文化庁メディア芸術祭
平成11年度[第3回]文化庁メディア芸術祭 受賞作品

マンガ部門

晩夏
© せきねゆき
優秀賞

晩夏

コママンガ

作者: せきね ゆき

(日本)

作者プロフィール

せきね ゆき

せきね ゆき

1977年、埼玉県川越市生まれ。津田塾大学国際関係学科卒業。会社員時代ウェブイラストの仕事にたずさわる。現在はフリーのイラストレーターとして児童書の挿絵などの分野で活動中。本作は初の絵本。

受賞コメント

『晩夏』は私のはじめての絵本であり、はじめて作・絵ともに担当した完全オリジナル作品です。受賞のお知らせをいただいたとき、ああ、このまま歩いていってもいいのかな、と思えました。この物語を描く力をくれた人と風景に、感謝をこめて。いろいろ思いをめぐらせつつ読んでいただけたら、うれしいです。どうもありがとうございます。

贈賞理由

作品の余白の広さに空気を感じる。そこに生じる空気の色、香り、すなわちそれぞれの読者の心象に湧き起こるイマジネーションを、余白が邪魔しないように配慮されている。作品のテーマである「大切なものとの別れ」に伴う不条理感の切なさ。ヒトが直面しなければならない普遍的な不条理感を、作者は「彼岸花」によって象徴させる。「彼岸花」と名づけられた花は固定した物語をもたされているが、作者には「だから―」と先に進んでほしい。先にもひろがるであろう余白のなかに、諦観を越えた強くてやさしい応援歌の景色を見てみたい。

11のQ&A

Q1
初めて「創作」したのは何歳でしたか? またどんな道具を使って、どんなものを創作しましたか?
A1
覚えておりません…。
Q2
現在使用している創作ツールはどのようなものですか? また、そのツールを選んだ理由をお書きください。
A2
透明水彩、鉛筆、紙。とくに理由はありません。いちばんしっくりきた、ということでしょうか。
Q3
あなたが思い描く「夢の創作ツール」とは?
A3
ツールというよりも、湯水のようにアイデアが浮かんでは形にできる心・技・体、があったらいいですね。でもそれがないからこそ、だと思います。
Q4
これまでの作品に共通するテーマはありますか? あるとしたら、そのテーマとはどういったものですか?
A4
近くにあるもの。近すぎて見すごしてしまうようなもの。を、見ていたいと思います。
Q5
作品をつくるうえで最も苦労する部分、またはこだわる部分はどこですか?
A5
描かないこと。描かずに伝えること。余白。
Q6
自分の作品が「メディア芸術」だと意識したことはありますか。また「メディア芸術」は既存の「芸術」と比べて、どんな違いがあると思いますか?
A6
特にないです。メディア芸術というと、より大衆的なもの、他者との関係の中で成り立つもの、といった雰囲気がある気がします。すみませんよくわかっておりません。
Q7
アーティストとして、いつもどのような姿勢(スタンス、または観点)で作品を制作していますか?
A7
日々をきちんと生きていたいです。起きてごはんを食べて仕事をして遊んで寝る。何かに対して何かを感じながら生きていたいです。アーティストというより、ひとりの人間として。
Q8
座右の銘は?
A8
「期せずして待て、けれどあきらめるな」私なりのひとつの処世術?です。
Q9
どんなときにインスピレーションを感じることが多いですか?
A9
散歩、ごはんを食べる、夢うつつ。
Q10
今後の活動展開について、どのようなビジョンを持っていますか?
A10
先のことはわかりません。日々は変わっていくし私自身も変わっていくでしょう。けれど私にとって絵は、何かを失くしてもこれがあれば生きられる、というものであってほしいと思います。
Q11
あなたが影響を受けたモノ、ひとは?
A11
・身近にあるいろいろ
良くも悪くも、これまで私に影響を与えこれからも与えていくもの。

・高野文子さんのマンガ
今さら私がいうまでもないですが、すくいとる力に圧倒されます。

・『青いパパイヤの香り』
ベトナムの映画です。淡々とした構成と、映像の美しさ。

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