平成17年度[第9回]文化庁メディア芸術祭
平成11年度[第3回]文化庁メディア芸術祭 受賞作品

マンガ部門

失踪日記
© 吾妻ひでお/イースト・プレス
大 賞

失踪日記

ストーリーマンガ

作者: 吾妻 ひでお

(日本)

作者プロフィール

吾妻 ひでお

吾妻 ひでお

1950年、北海道生まれ、漫画家。『ふたりと5人』『やけくそ天使』『ななこSOS』ほか多数の作品を発表し、1979年に『不条理日記』で第10回日本SF大会星雲賞受賞。1989年に突如失踪した顛末が本作『失踪日記』で、第34回日本漫画家協会賞大賞を受賞した。

受賞コメント

このたびは名誉ある賞をいただきありがとうございます。想像もしなかった受賞に驚いています。この作品は私の体験をそのまま描いたもので、嘘、誇張はありません。我ながら悲惨な実体験で笑ってしまいますが、さいわい読者の方の反応も「笑った」という声が多く、うれしく思いました。なぜなら笑ってほしかったからです。

贈賞理由

この作品は「私マンガ」というジャンルに属する。それはすでに新しいジャンルではないが、多くのそうした作品がどうしても「エッセイマンガ」になることが多いのに対して、この作品が作品としての品格をしっかりともっていることに注目してほしい。むしろ自分の感情・感想を排し、乾いた目でシビアな状況をギャグに仕立てている。この作家が一度はマンガの道を離れながら、もっていた才能を正しく発揮して元の道に戻ったことに驚きと歓びを禁じえない。

11のQ&A

Q1
初めて「創作」したのは何歳でしたか? またどんな道具を使って、どんなものを創作しましたか?
A1
16歳。エンピツで4コママンガを描いた。
Q2
現在使用している創作ツールはどのようなものですか? また、そのツールを選んだ理由をお書きください。
A2
マンガ。自己を表現するのに一番ぴったりの手法だと思ったから。
Q3
あなたが思い描く「夢の創作ツール」とは?
A3
道具にはこだわらない。技術をみがく過程に意味があると思っている。
Q4
これまでの作品に共通するテーマはありますか? あるとしたら、そのテーマとはどういったものですか?
A4
笑い。SF。女性。
Q5
作品をつくるうえで最も苦労する部分、またはこだわる部分はどこですか?
A5
笑いを作り出すのは鬱になるほど苦しい。女の子をかわいらしく描くのにこだわっています。
Q6
自分の作品が「メディア芸術」だと意識したことはありますか。また「メディア芸術」は既存の「芸術」と比べて、どんな違いがあると思いますか?
A6
自分の創作がそうだとは思わないが、マンガというジャンルは優れた芸術を生んできたし、これからも生まれてくると思う。「メディア芸術」も「芸術」も太古からあるもので、違いは既知のことである。
Q7
アーティストとして、いつもどのような姿勢(スタンス、または観点)で作品を制作していますか?
A7
自分を表現し、読者に笑いと、驚異と、カタルシスを与えること。
Q8
座右の銘は?
A8
「好きなように描け、マンガは落書きだ」
Q9
どんなときにインスピレーションを感じることが多いですか?
A9
集中してアイディアを考え、考え疲れて休んでいるときに。
Q10
今後の活動展開について、どのようなビジョンを持っていますか?
A10
心のおもむくままに描いていきたいと思っています。
Q11
あなたが影響を受けたモノ、ひとは?
A11
・手塚治虫
絵と笑いに影響を受けた。

・石ノ森章太郎
抒情性に影響を受けた。

・板井れんたろう
日常性に影響を受けた。

・筒井康隆
過激さに影響を受けた。

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