平成18年度[第10回]文化庁メディア芸術祭
平成11年度[第3回]文化庁メディア芸術祭 受賞作品

アニメーション部門

スキマの国のポルタ
© Arai Ryoji/NHK/NEP, Aniplex Inc.
優秀賞

スキマの国のポルタ

短編

作者: 荒井 良二(原作)/
和田 敏克(アニメーション)

(日本)

MOVIE

※動作環境に関してはこちら

作者プロフィール

荒井 良二

荒井 良二(原作)

1956年山形生まれ。広告、絵本、舞台美術など幅広く活躍。2005年アストリッド・リンドグレーン記念文学賞受賞。

和田 敏克

和田 敏克(アニメーション)

1966年生まれ。岡本忠成監督に憧れ電通プロックスへ入社。代表作『ビップとバップ』『象だゾウ』のほか、『冬の日』解説パートの演出など。

受賞コメント

初めてアニメーション制作に参加できただけでも喜びなのに、栄えある賞を頂戴でき感謝に堪えません。手作りのよさを100%引き出してくれた和田監督をはじめ、スタッフ全員がいただいた賞に大拍手!です。(荒井)
この作品のスゴいところは、各話ごと、荒井良二さん自らが人形と美術を、音楽の片岡知子さんが楽曲を、楽しみながら書きおろしてくれていることです。荒井良二さんとスタッフの皆さんに心からお礼を申しあげます。(和田)

贈賞理由

まぎれもない傑作である。 いったい今まで、これほど緊張感がなくて、ほっこりして、何ともいえないゆるさが心地いいアニメーションがあっただろうか? 絵本作家・荒井良二の紡ぎ出す世界を、演出の和田敏克がデジタル切り紙アニメーションとして、楽しさいっぱいに描いたポルタと仲間たちの物語。そのみごとな職人技は、カナダのノーマン・マクラレンの前衛的なシャープさと、チェコのブジェチスラブ・ポヤルの洗練されたセンスを彷彿させる。アニメーション作家・和田敏克はただものではない!

11のQ&A

Q1
初めて「創作」したのは何歳でしたか? またどんな道具を使って、どんなものを創作しましたか?
A1
荒井良二/高校時代に美術部で描いた油絵。

和田敏克/3歳くらい。わら半紙に漫画を描いていました。代表作は、「大洪水」。
Q2
現在使用している創作ツールはどのようなものですか? また、そのツールを選んだ理由をお書きください。
A2
荒井良二/手で描ける画材なら何でも。

和田敏克/LightWave3D。切り紙アニメの撮影台、カメラとして捉えたとき、レンズの空気感がいい。
Q3
あなたが思い描く「夢の創作ツール」とは?
A3
荒井良二/いまのままで十分です。ただ、一人で巨大な作品をつくれるような技術が何か欲しいですね。

和田敏克/ツールというより、自分自身がもっともっと成長することを望んでいます。
Q4
これまでの作品に共通するテーマはありますか? あるとしたら、そのテーマとはどういったものですか?
A4
荒井良二/誰かに手紙を書くような気持ち。

和田敏克/これまでの作品としては自主と番組が主ですが、テーマはその都度、異なっていると思います。
Q5
作品をつくるうえで最も苦労する部分、またはこだわる部分はどこですか?
A5
荒井良二/自分が考えついたことが相手に伝わるかどうかという点。

和田敏克/カットを割って、映画的な空間と緊張感とを創出すること。そのなかで、動きとしてキャラクターに魂が宿っているかどうか。
Q6
自分の作品が「メディア芸術」だと意識したことはありますか。また「メディア芸術」は既存の「芸術」と比べて、どんな違いがあると思いますか?
A6
荒井良二/意識したことはありません。どこまでをメディア芸術とするのかで違いがでると思うのですが。

和田敏克/まず「メディア芸術」の定義から考察しなければならず、従って、特に意識したこともありません。
Q7
アーティストとして、いつもどのような姿勢(スタンス、または観点)で作品を制作していますか?
A7
荒井良二/作品が国境を越えて一人歩きすることを念頭に。

和田敏克/自然体な“自分らしさ”が出ていたらいいな、と、いつも思いながらつくっています。
Q8
座右の銘は?
A8
荒井良二/特にありません。

和田敏克/「“光”もキャラクターなのです」という、Y・ノルシュテイン監督の言葉が、忘れられません。
Q9
どんなときにインスピレーションを感じることが多いですか?
A9
荒井良二/インスピレーションで何か作品を仕上げたことはありませんし、これからもそれはないと思います。あるとすれば、それはあらゆる日常の中にあるものだと思います。

和田敏克/古い写真集をみているとき。写真の中の空気や温度を感じ、その空間が映画のように動き出した瞬間。
Q10
今後の活動展開について、どのようなビジョンを持っていますか?
A10
荒井良二/作品が国境を越えて自分も一緒に歩きたい。

和田敏克/大正末期から昭和初期の児童文学を原作として、短編映画をつくりたいと思っています。
Q11
あなたが影響を受けたモノ、ひとは?
A11
荒井良二/
・絵本作家・長新太のそのアーティスト性すべて
子どもの描いた絵、創ったもの、アウトサイダーアートの作者と作品に常に衝撃をもらっています。

和田敏克/
・岡本忠成
短編アニメーションの美術性、作家性、作品としての人柄
・B・ポヤール
切り紙アニメのテンポと面白さ
・小津安二郎
映画としての個性と、洒落気

ページ上部へ戻る

Pick Up Archive 今こそ読みたい。これまでの記事をご紹介

中村 勇吾

巨匠インタビュー
中村 勇吾

ボツになるほど、引き出しが増えていくということですから...

トーチカ

作家インタビュー
トーチカ

作品をつくろうと思ってつくったものじゃないんです。始まりは...

竹宮 惠子

巨匠インタビュー
竹宮 惠子

スランプでも描くことをやめなかったことが、一番私を救ったと思う...

渋谷 慶一郎

コラム:データミュージアムは可能か? 渋谷 慶一郎

電子音楽とメディアアートの関係について考えてみると、その2つの...

押井 守

巨匠インタビュー
押井 守

実写であれ、アニメであれ、僕が一貫してやってきたことは...