平成18年度[第10回]文化庁メディア芸術祭
平成11年度[第3回]文化庁メディア芸術祭 受賞作品

エンターテインメント部門

雨刀
© Yuichiro Katsumoto, imgl / Keio Media Design
奨励賞

雨刀

遊具

作者: 勝本 雄一朗

(日本)

MOVIE

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作者プロフィール

勝本 雄一朗

勝本 雄一朗

1981年岐阜県生まれ。現在、慶應義塾大学稲蔭正彦研究室(imgl / Keio Media Design)に在籍中。週刊誌の中吊り広告に怯えながら、新しいエンターテインメントを模索する日々を送っている。

受賞コメント

まずは栄誉ある賞をいただけたことに感謝いたします。雨刀は「身体をハードウェアに、手にしたものをソフトウェアに」という構想のもと、雨上がりのウキウキ気分を楽しむ遊具としてプロトタイピングしました。映画やアニメ、ゲームの記憶をリソースに、振りまわすのも一興です。こうした作品がつくれたのも、 imglとKMDの仲間がいたからこそ。本当にありがとうございます!

贈賞理由

この作品に審査会場は沸いた。しかもその笑いは、ほぼ同時に起こった。つまり作者の意図が汲めた瞬間に全員が「わはは」と吹き出した。この明瞭さはエンターテインメントの世界では非常に重要だ。もうひとつの魅力は「どこにでもあるもの」を使っている点だ。認知心理学。アフォーダンス。呼び方はどうでもいいが、ビニール傘はみごとに「刀」としてそこに存在している。認識を変える。これは簡単なようで決して容易ではないのだ。

11のQ&A

Q1
初めて「創作」したのは何歳でしたか? またどんな道具を使って、どんなものを創作しましたか?
A1
小学生の頃に、学研の付録やガンダムのプラモデルで工作を始めました。中学生の頃は、ブラックバスにハマっていたので、弟とルアーやワームをつくったりもしました。今につながる制作を始めたのは、大学院の修士課程に入った23歳から。香りと音で記憶を再現する装置「Nozoki-Hana」をつくりました。
Q2
現在使用している創作ツールはどのようなものですか? また、そのツールを選んだ理由をお書きください。
A2
今はPCとMax/MSPを使っています。大学院の先輩に勧められたのがきっかけです。産業用には向かないでしょうが、プロトタイピングには信頼できるツールです。
Q3
あなたが思い描く「夢の創作ツール」とは?
A3
マスコミや広告代理店的な表現が力をもたなくなる時代。そんな時代を生みだす創作ツールがあれば、おもしろいことが起きるんじゃないかと思っています。その点で、Web2.0には期待しています。
Q4
これまでの作品に共通するテーマはありますか? あるとしたら、そのテーマとはどういったものですか?
A4
現在は「人機一体」をテーマにプロトタイピングを行なっています。
Q5
作品をつくるうえで最も苦労する部分、またはこだわる部分はどこですか?
A5
不器用なので、いつも実装で苦労しています。その代わり、実装の稚拙さがどうでも良くなるくらい、骨太なコンセプトを捻りだすようにしています。ロックは、たったの3コードで名曲が生みだせるんです。それと同じことが、僕の表現でも可能だと思っています。
Q6
自分の作品が「メディア芸術」だと意識したことはありますか。また「メディア芸術」は既存の「芸術」と比べて、どんな違いがあると思いますか?
A6
僕自身は芸術を意識していません。「メディア芸術」と既存の「芸術」の違いは、第100回文化庁メディア芸術祭あたりで判明すると思います。もし生きながらえていたら、ユビキタストイレ(おむつ)を装着して、見にいきたいです。
Q7
アーティストとして、いつもどのような姿勢(スタンス、または観点)で作品を制作していますか?
A7
大学の裏に美味しいラーメン屋があって、そこの中盛が710円です。それを食べると、僕は一週間をそこそこ幸せに過ごせまです。これを感動の基準にして、作品を制作しています。
Q8
座右の銘は?
A8
・ナイス害
 (映画「けものがれ、俺らの猿と」より)

・イケていない男の子が意味をつくり、世界を創造するということなんじゃないか
 (宮台真司 「野獣系で行こう!!」より)
Q9
どんなときにインスピレーションを感じることが多いですか?
A9
煮詰まった時は、さっさと寝るようにしています。ただ寝るのではなく、考え事をしながら布団に入ります。するとなぜか、ムクムクとアイデアが湧いてくるんです。思いついたことは、適当な紙に殴りがきして、翌朝検討します。何も思いつかない日は、いつの間にか寝ています。気がつけば新しい一日の始まりです。
Q10
今後の活動展開について、どのようなビジョンを持っていますか?
A10
フリーターとしてでも生きていける時代だからこそ、やれるところまでやろうと思っています。研究と表現で壁を越えたら万々歳。駄目なら駄目なりに未来はあると思います。
Q11
あなたが影響を受けたモノ、ひとは?
A11
笑いあえる友人、大学院の指導教官と先輩、僕を育ててくれた家族です。短期的・瞬間的にメディアの影響を受けることはありますが、長期的・継続的に人生を眺めると、やはり身の回りの人々・お世話になっている方々の影響力が勝ってますね。

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