平成11年度[第3回]文化庁メディア芸術祭 受賞作品

アニメーション部門

河童のクゥと夏休み
© 2007 木暮正夫 / 「河童のクゥと夏休み」製作委員会
大賞

河童のクゥと夏休み

劇場公開アニメーション

作者: 原 恵一

(日本)

MOVIE

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作品概要

小学生の康一が、偶然拾ってきてしまった河童の子供クゥ。ある日、河童の仲間を探すために、河童の伝説が残る遠野へ、クゥと一緒に旅に出る。康一とクゥの交流を通して、人間の優しさ・醜さ、社会の怖さ・歪み、そして家族の大切さなどを見事な脚本と演出で描き出した原恵一監督作品。

作者プロフィール

原 恵一

原 恵一

1959年生まれ、群馬県出身。「クレヨンしんちゃん」シリーズを初めとして数々の作品の監督をつとめ、同シリーズの劇場版『嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』は高い評価を受けた。世界に向けて日本のアニメーションを発信できる次世代の監督として、最も期待されている。

受賞コメント

『河童のクゥと夏休み』は私にとって、明らかに特別な作品です。原作と出あったのが20年以上前。それから完成までに本当に色々なことがありました。私の演出としてのキャリアのほとんどの期間を、この作品のことを考えて過ごしてきました。つくれたことはもちろんうれしいのですが、今は長いつきあいの友だちと別れたような淋しさも感じています。でも、別れたおかげでこの作品をたくさんの人に見てもらえました。ありがとうございました。

贈賞理由

康一少年が河原で拾った石から復活した河童の子クゥを通して、人間の優しさ、醜さ、小ささ、それと人間社会の怖さ、歪み、マスコミの傲慢さ、などをみごとな脚本と演出で描き出した原恵一監督の手腕を高く評価したい。日本ではお馴染みの妖怪とはいえ、クゥのキャラクターがカワイ~だけではなく、今は忘れられかけている、受けた「恩」は忘れない古風な性格の子どもとして描いたところがいい。人間に殺された父への想い、TV局からクゥを脱出させる途中で命を落とした犬のオッサンの身の上など、今の社会問題を含んだ内容が涙を誘う。『クレヨンしんちゃん』で名作をつくり続け、試してきたものが集大成されたような長編アニメーション映画の傑作。

8つの質問

Q1
「作品をつくりたい」と思ったのは、どんなことがきっかけでしょうか?
A1
過去のいろいろな作品から受けた感動。
Q2
現在、おもに使用している創作ツールは何ですか?
A2
鉛筆と消しゴム。
Q3
作品に対して、最も重視されているところはどこですか?
A3
特に思いつきません。
Q4
創作活動を通して、持ちつづけているテーマは何ですか?
A4
特にありません。
Q5
テクノロジーを使った表現や、メディアという伝える手段をどのように考えて創作されていますか?
A5
重要ですが、振りまわされたくないです。
Q6
あなたが一番影響を受けた、人物や作品、出来事を教えてください。
A6
デビッド・リーン(David LEAN)、木下恵介、杉浦日向子
Q7
今後どのような作品を創作していこうと考えていますか?
A7
面白いだけのものはつくりたくないです。
Q8
あなたにとって「創作する」ということは何でしょうか?
A8
特に考えたことはありません。