コンピューターの自動翻訳ソフトを使い、日本の昔話である『桃太郎』、『一寸法師』、『かぐや姫』の文章を日本語から英語に自動翻訳し、さらに日本語に再翻訳した。オリジナルとは似て非なるものとなったその珍妙な物語のイメージを絵画化して添えている。

原 倫太郎
1973年生まれ。サンドベルグインスティテュート修了。「変換」をテーマにデジタルなエレメントをアナログ的手法で作品を制作

原 游
1976年生まれ。東京芸術大学大学院修了。画布、木枠、色層などの絵画のコードをテーマにした絵画を制作。
このような名誉ある賞をいただき大変光栄です。審査委員の皆様ありがとうございました。この絵本は日本の代表的な昔話「一寸法師」、「かぐや姫」、「桃太郎」を15種類に及ぶコンピュータの自動翻訳ソフトを駆使し、日本語→英語→日本語の順で自動翻訳、そしてコンピュータが紡ぎだした文章からイメージされるイラストを添えたまったく新しい現代の昔話です。数々のエキセントリックな訳を生み出してくれた翻訳ソフトにも感謝です。
奨励賞は "その他" 部門から、形態は"単行本"という、やや異例の結果となった。しかし受賞作は、ゲーム・遊具等の部門を通じて、もっともメディア芸術という本祭のタイトルにふさわしい作品と思えた。私見だが、芸術とは何よりも、美しさや楽しさなどの "価値観" に対するチャレンジであるべきだからだ。自動翻訳ソフトという、ごく一般的なツールを使い、誰もが知っている昔話を、まるでかつての前衛SFのように再構成する行為。受賞作は、"視点" さえもっていれば、本のような伝統的な形でも、充分にメディア芸術たりえることを思い出させてくれた。本賞で"奨励" したいのは、この "既成の価値観に対するチャレンジングな視点" である。
「作品をつくりたい」と思ったのは、どんなことがきっかけでしょうか?
子供のころから何でも組み立てる作業が好きでした。特にきっかけはありませんが、それが原点にあると思います。
現在、おもに使用している創作ツールは何ですか?
日曜大工店で購入できる道具、材料
作品に対して、最も重視されているところはどこですか?
リズム感
創作活動を通して、持ちつづけているテーマは何ですか?
「変換」することで見えてくる世界を構築すること。デジタルイメージをアナログ的手法で表現することで、オリジナルのイメージが崩れ、そこにノイズが発生し、意味が変わっていく。完全ではなく流動的で、日常にかなり近いどこかに存在している世界。デジャヴ(既視感)とジャメヴュ(未視感)の間。
テクノロジーを使った表現や、メディアという伝える手段をどのように考えて創作されていますか?
アイデアを重視した作品が多いので、そのアイデアを効果的に現実化できるテクノロジーやメディアを選択することに注意しています。
あなたが一番影響を受けた、人物や作品、出来事を教えてください。
出会いはこれからあると思います。
今後どのような作品を創作していこうと考えていますか?
アートとエンターテイメントの境界をまたぐような作品をつくっていこうと思っています。
あなたにとって「創作する」ということは何でしょうか?
ブーメランのように投げると弧を描いて戻ってくる。投げることによって生じる事象、軌跡が私の創作する意味だと思っています。
![平成11年度[第3回]文化庁メディア芸術祭 受賞作品 平成11年度[第3回]文化庁メディア芸術祭 受賞作品](/festival/images/h1_jusyousakuhin2007.gif)








