眠っている馬の見る夢。次から次へと変化していくそのイメージは、刺繍で描かれた絵本のようにやわらかな温もりを伝えている。キャラクターが愛らしく、洗練されたおしゃれ感のあるバランスのよい作品。

荒井 知恵
1971年生まれ。都内アニメプロダクションにてアニメーション画を学び、現在フリー。キャラクタードローイングをおもに使ったアニメーション、イラストレーションを制作する。フリップブック(ぱらぱらマンガ)も積極的に生産中。
大変光栄です。ありがとうございます!この作品は始めに絵本としてつくったイメージビジュアルがあり、それをアニメーション化したものです。サウンドも楽しくつくっていただきました。こってりした思想は込めず、発想と動きでつくったライトな作品で、受賞したと聞いたときは正直驚きでしたが、認めていただけたのはとても嬉しいことですし、励みになります。
映像の刺繍が、裁縫の刺繍とイメージリンクし、観る者を温かな気持ちにさせる。その印象は、まるで繊細な裁縫を見たときのような感じだ。短編という特性から、エントリー作品の作風は大別して「アート」「児童向け」「ショートドラマ」となるが、そのなかでも本作は「女性に向ける」という限定的な感性でつくられているように見えた。そのような作品はほかにはなく、これは作者の無意識な感性なのか、あるいは選者たちがまんまと作者の狙いにはまっただけなのか。いずれにせよ、全エントリー作品のなかでも特別な存在感があったことは紛れもない事実であった。次回作が楽しみな作家でもある。
「作品をつくりたい」と思ったのは、どんなことがきっかけでしょうか?
具体的に思いだせません…。絵を描くのはとにかく小さいころから好きでした。映像に限りませんが、音楽やダンス、詩、工芸など、巷の他の作家の作品に触れて刺激されたりしたのもあると思います。
現在、おもに使用している創作ツールは何ですか?
鉛筆、消しゴム、ペン、動画用紙とMacです。
作品に対して、最も重視されているところはどこですか?
はっきり答えられません…。いまは動きとタイミングかもしれません。
創作活動を通して、持ちつづけているテーマは何ですか?
現時点では特に思いあたりません。テーマではありませんが、おかしさのエッセンスを加えたいとはつねに思っています、というか思わなくても入れてしまいます。
テクノロジーを使った表現や、メディアという伝える手段をどのように考えて創作されていますか?
テクノロジーを使った「表現」と言うのかわかりませんが、何枚もの絵をアニメーション化してくれるツールはなくてはならないものです。テクノロジーありがたやと思って日々制作しております。メディアについても、いろいろあるのはありがたいことだと思ってます。
あなたが一番影響を受けた、人物や作品、出来事を教えてください。
一番を答えるのは難しいです。アニメーション作品に限定すると、中学生のときに見たウォルト・ディズニーの『ファンタジア』と、学生時代に何となく見ていたMTVのショートアニメーション(多数あったし、テレビ番組のスポットや音楽のプロモビデオなので作品、作者名はわかりませんが、ビル・プリンプトンは強烈で覚えている)だろうと思います。
今後どのような作品を創作していこうと考えていますか?
アニメーション作品に関しては、もっと画面に想いを込めてじっくりつくってみたいと考えています。
あなたにとって「創作する」ということは何でしょうか?
思いついたらやらないと気がすまない苦しくて楽しい作業、とても考えさせられて心身ともに運動させられる行為、でしょうか。
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