平成11年度[第3回]文化庁メディア芸術祭 受賞作品

エンターテインメント部門

FONTPARK 2.0
© 株式会社モリサワ
優秀賞

FONTPARK 2.0

http://fontpark.morisawa.co.jp/

Web

作者: 中村 勇吾

(日本)

作品概要

フォント(字体)メーカーのウェブサイト上のコンテンツ。文字を一画までばらし、さまざまに組みあわせてイラストを描くことができる。投稿された作品を閲覧すると、イラストを組みたてる過程まで見られるようになっている。フォントの形姿の美しさがイラストにも反映されており、日本で文字(書)とイラスト(画)が一体であった伝統を思いおこさせる。

作者プロフィール

中村 勇吾

中村 勇吾

インターフェースデザイナー/プログラマー。1970年奈良県生まれ。1998年よりインタラクティブデザインの世界に。2004年に tha ltd. を設立。以後、数多くのウェブサイトや映像のアートディレクション、デザイン、プログラミングの分野で横断/縦断的に活動を続けている。

受賞コメント

大変ありがとうございました。『FONTPARK 2.0』は、「日本の文字のカタチ」そのものに捧げられたウェブサイトです。だれもが気軽に触って楽しめると同時に、その気になれば非常に凝った作品をつくることもできる、直感的で自由度の高いインターフェースを目指しました。日本の文字の美しさ・おもしろさを、このサイトで改めて感じていただければ幸いです。

贈賞理由

この作品上で表示されている「絵」は、このサイトを利用する人々の苦心作の数々である。つまり、この作品は表現する場であり、新たな作品を生成する高度なソフトウェアである。それが優れているかどうかは、それを使ってつくられた「絵」の質を見れば一目瞭然で、ユーザーの創造性を喚起する力を持っている。日本語の書体という複雑な素材をここまで分解する技術と、自分のマウス捌きがそのまま指先のように感じられるインタラクティブ性は斬新で、自由自在に操れる感覚は、最新のゲーム機にもない高い独自性を持っている。また、描いているうちに日本語書体の持つ美しい曲線や、思いがけないディテールも発見でき、書体メーカーの「モリサワ」という主題の落としこみも見事だ。さらに、何よりもおもしろいのは、絵を描こうとした人の「苦心」が見られることだ。形や配置をどうするか、最初から最後までを悩むさまが小気味よく短時間で再現されていくのを眺めるのは微笑ましくも新鮮だ。「ちょっとやってみようか…」と気持ちが動くこの仕掛けは、まさにエンターテインメントといえるだろう。

8つの質問

Q1
「作品をつくりたい」と思ったのは、どんなことがきっかけでしょうか?
A1
仕事を依頼されましたので。
Q2
現在、おもに使用している創作ツールは何ですか?
A2
Adobe様とMicrosoft様に囲われています。
Q3
作品に対して、最も重視されているところはどこですか?
A3
これまでのものに対して、ひとつでもよいから、必ず何かを更新することです。
Q4
創作活動を通して、持ちつづけているテーマは何ですか?
A4
新しいバランスを見いだすことです。
Q5
テクノロジーを使った表現や、メディアという伝える手段をどのように考えて創作されていますか?
A5
そういったことをもはや意識しないような地点にまで熟達できればと思います。
Q6
あなたが一番影響を受けた、人物や作品、出来事を教えてください。
A6
・前田ジョンさん
・ノーマン・マクラーレンさん
作品を見て、この世界でものをつくりはじめるきっかけになりました。
Q7
今後どのような作品を創作していこうと考えていますか?
A7
爽やかなものをつくりたいです。ブラックホール的なものもつくりたいです。
Q8
あなたにとって「創作する」ということは何でしょうか?
A8
一生の趣味です。できることなら老後も楽しみたいです。