町外れの森のなかには捨てさられた音の鳴ることのないピアノがあった。この「ピアノの森」で育った少年の物語。自由奔放で天才的な音楽の才能を持つ少年が、さまざまな人と出会い、ピアニストを目指して成長していく姿を描いている。

一色 まこと
1984年、ヤングマガジン『カオリ』でデビュー。1995年、『花田少年史』で講談社漫画賞を受賞。主な作品として『はなったれBoogie』『どいつもこいつも』『出直しといで!』『ハッスル』『魚人荘から愛をこめて』など。現在、『ピアノの森』を連載中。
賞がもらえるとは思っていなかったので、とても驚きました。この作品のために、取材協力してくださった方々や、支えてくださっている人たちに、この場を借りてお礼が言いたいです。ですが、作品はまだ終わっていないので、これからもよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
森のなかに一台のピアノがある。打ちすてられ、雨ざらしになったピアノ。だが、森という伽藍のなかに置かれ、月光のライトを浴びて輝くグランドピアノ。たったひとりの少年にしか音を開かない森のピアノ…。なんといっても、冒頭のこのイメージがいい。“森の端(はた)”と呼ばれるガラの悪い地区で育ったカイだけが弾きこなせる森のピアノの音が、周囲の人々を変えていく。カイの自由な演奏に激しく心を揺らしつつも、自分は「完璧なピアノ」を目指そうとする雨宮少年。あがり症を克服しようと懸命に努力する “便所姫” 誉子。どの子どもたちも魅力的で、読んでいると愛しくなってくる。同じく音楽マンガである『マエストロ』と僅差の争いだったが、子どもを主人公としていてわかりやすい『ピアノの森』の方が、より広い読者に受けいれられるであろうことが大賞へつながった。「音楽」マンガの豊かな実りは近年の収穫だと言えるだろう。
「作品をつくりたい」と思ったのは、どんなことがきっかけでしょうか?
何かに感動して、だれかにそれを伝えたくなったとき・・・。
この作品の場合は、たまたま観たTVのドキュメンタリー番組の再放送(1985年『ショパンコンクール』ブーニン優勝のシーン) に感動したことが、原動力になっているかもしれません。
現在、おもに使用している創作ツールは何ですか?
ZEBRAのGペン、PILOTの製図用インク。
作品に対して、最も重視されているところはどこですか?
キャラクター。
創作活動を通して、持ちつづけているテーマは何ですか?
娯楽なので、人を元気にするものを目ざしていますが、うまくいったりいかなかったり・・・。
テクノロジーを使った表現や、メディアという伝える手段をどのように考えて創作されていますか?
特に考えていないです。すみません。
あなたが一番影響を受けた、人物や作品、出来事を教えてください。
小林まことさんの『漫画の描き方』。初めて自分で買ったマンガの単行本です。1巻しかないですが、ビックリしてボロボロになるまで読みました。
今後どのような作品を創作していこうと考えていますか?
その場にならないとわかりませんが、できればドキドキできるもの。
あなたにとって「創作する」ということは何でしょうか?
自分ならではの「何か」 を表現すること。
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