平成11年度[第3回]文化庁メディア芸術祭 受賞作品

マンガ部門

栞と紙魚子
c 2008 諸星大二郎(朝日新聞出版 / 朝日新聞社)
優秀賞

栞と紙魚子

ストーリーマンガ

作者: 諸星 大二郎

(日本)

作品概要

不思議なことが次々に起きる胃の頭町を舞台に、女子高生コンビの栞と紙魚子(しみこ)が、妖怪に立ちむかい大活躍する物語。奇々怪々な人々と摩訶不思議な事件が織りなす異世界が魅力的な作品となっている。

作者プロフィール

諸星 大二郎

諸星 大二郎

1949年、長野県生まれ。1970年、『ジュン子・恐喝』でデビュー。1974年、『生物都市』で手塚賞受賞。代表作に『孔子暗黒伝』『暗黒神話』『西遊妖猿伝』などがある。

受賞コメント

このたびはすばらしい賞をありがとうございます。デビューから30年以上、マイペースで描きたいものを描いてきただけなので、このような晴れがましいものは気恥ずかしくて困ります。特に『栞と紙魚子』は肩の力を抜いて気楽に描いてきたつもりなので、ちょっと驚いています。とにかく、ありがとうございました。

贈賞理由

作者の描く「アヤカシ」たちはなんと魅力的なのだろう。まるで彼らは、ただ自然に太古の昔からそこに存在しているかのようだ。決して流麗とはいえないペンの一描き一描きが、彼ら「アヤカシ」をファンタジーの世界にとどまることを許さず、この我々の現実世界に引きよせる。作者は「夢」「妄想」「怪異」といったあちらの世界をまるごとそのペンの力でこちらの世界に引きよせ、作品全体にえも言われぬリアリティーを醸しだす。そして、今回作者が怪異をひきよせた本作品の舞台は、遠い昔や異郷でなく、この現代、我々が住む町であった。お相手は「シオリ」と「シミコ」というどこにでもいそうなふたりの女子高生。その結果、怪異はさらに身近なものになり、まるで近所の住人のごとく町内を徘徊しはじめ、あちらとこちらの境をあいまいにし、若い世代に新しい諸星ファンを広げつづけているのである。

8つの質問

Q1
「作品をつくりたい」と思ったのは、どんなことがきっかけでしょうか?
A1
『栞と紙魚子』に関して言えば、おもに少女向けのホラーマンガを描こうとした。
Q2
現在、おもに使用している創作ツールは何ですか?
A2
ペンと墨汁。
Q3
作品に対して、最も重視されているところはどこですか?
A3
アイデアとストーリー。
Q4
創作活動を通して、持ちつづけているテーマは何ですか?
A4
特になし。
Q5
テクノロジーを使った表現や、メディアという伝える手段をどのように考えて創作されていますか?
A5
特に考えず。
Q6
あなたが一番影響を受けた、人物や作品、出来事を教えてください。
A6
手塚治虫。
Q7
今後どのような作品を創作していこうと考えていますか?
A7
いままで描いたことのないようなものをいろいろ。
Q8
あなたにとって「創作する」ということは何でしょうか?
A8
生きていくためにしなければならない苦痛なことを最小限にできるもの。

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