チェコから届いた最新作は、屋根裏部屋に住んでいる、人間に忘れられたガラクタたちの世界。心優しい人気者だが、いざとなると悪者と戦うおてんばなお人形の女の子ポムネンカが悪の親玉フラヴァに狙われるところから物語は動きだす。平和な毎日が脅かされたとき、ポムネンカのゆかいな仲間たちは決死の大冒険に挑むことに……!

イジィ バルタ
1948年プラハ生まれ。チェコ人形アニメの創始者イジー・トルンカらの精神を受け継ぎながらも新しいことへチャレンジし、現代の人形アニメ界を牽引する「チェコアニメの最後の哲人」。
日本人の共同制作者(株式会社アットアームズ)が文化庁メディア芸術祭に私の映画を応募したのですが、実際私はそのことを知らなかったのです。突然、秋に受賞に関してのうれしいメッセージとこのコンテストについて情報を初めて受け取ったのでした。この芸術祭はさまざまな種類のアート作品(アート、エンターテインメント、アニメーション、マンガ)を融合していて、私の国では似たようなコンテストはありません。おそらくヨーロッパ中にもないでしょう。私はいつもアニメーションや長編映画を対象とする映画祭に参加しています。私の映画は大勢の観客のためのものではありませんが、私の映画にはファンがいるのです。
イジィ・バルタ監督がライフワークである大作『ゴーレム』をつくりたくてもつくることのできないという不遇の24年を経てようやく発表した、自作では最大規模の新作である。
かわいらしいキャラクターの立体アニメーションを中心に、ペーパーアニメや実写素材を自在に駆使しながらもチェコならではの閉鎖的独創性が横溢する世界観とワールドワイドに向けたエンターテインメントを意識したストレートな冒険物語の衝突と摩擦が、その世界に我々の想像を超えた成長をもたらし、実に刺激的で興奮することこのうえない。
いまに始まったわけではないあの国から発信される見事な悪夢的想像力は国外の模倣する者の追随を許すことはないが、それを正確に伝達するための確かなアニメーション技術が通底し継承されていることを忘れてはならないし、ともすると独りよがりと捉えられがちな個性的表現から進化した、物語を紡ぐ演出の萌芽を見逃してはならないだろう。
「作品をつくりたい」と思ったのは、どんなことがきっかけでしょうか?
『屋根裏のポムネンカ』は私の最新のアニメーションプロジェクトです。高額の費用がかかる『ゴーレム』のプロデューサーを長い間探しましたが見つからず、子どもや親のために何かもっと明るく楽しいものをつくることに決めたのです。バイオ・イルージョンのチェコ人監督を説得することができて、彼がスロバキアと日本の仲間に私への経済的支援をしてくれるよう勧めてくれたのです。
現在、おもに使用している創作ツールは何ですか?
映画制作では、通常は人形アニメーションやマンガ、それから特殊効果(コンピューター)といったテクニックを合わせて使います。
作品に対して、最も重視されているところはどこですか?
アニメーションはファンタジーと想像力の分野です。この興味深いコミュニケーション言語を使うのが好きなのです。
読んで怒る、心が暗くなってどうしようもない作品はつくらないようにする。読んだ人の暗かった心に明るくなるヒントが自分で考えれるようにする。
読んで怒る、心が暗くなってどうしようもない作品はつくらないようにする。読んだ人の暗かった心に明るくなるヒントが自分で考えれるようにする。
創作活動を通して、持ちつづけているテーマは何ですか?
主流(3Dコンピュータ)に飛び込むのではなく、チェコのアニメーション映画の遺産を発展させること。
テクノロジーを使った表現や、メディアという伝える手段をどのように考えて創作されていますか?
私のアニメーションの場合、テクニックとアートデザインはいつもテーマや脚本に追従するものです。選んだ主題に合う様式を使うことは(何を始めるにしてもそれ以前の)主要な問題です。私は観客とスムーズにコミュニケーションするのに、ひとつだけのスタイルを持つアーティストではありません。新しい方法を探します。
あなたが一番影響を受けた、人物や作品、出来事を教えてください。
ヤン・シュヴァンクマイエル
今後どのような作品を創作していこうと考えていますか?
現在のプロジェクト(ドキュメンタリー、アーカイブ、アニメーション)を終えたら、日本の物語『浦島太郎』と、おそらく私の夢のプロジェクトである『ゴーレム』(もし年齢と健康が許すなら)を始めたいと思います。
あなたにとって「創作する」ということは何でしょうか?
私のライフスタイルです。
![平成21年度[第13回]文化庁メディア芸術祭 受賞作品 平成21年度[第13回]文化庁メディア芸術祭 受賞作品](/festival/images/h1_jusyousakuhin2009.gif)










