平成21年度[第13回]文化庁メディア芸術祭 受賞作品

アニメーション部門

東京マグニチュード8.0
© 東京マグニチュード8.0製作委員会
優秀賞

東京マグニチュード8.0

TV

作者: 橘 正紀

(日本)

MOVIE

※動作環境に関してはこちら

作品概要

夏休みのお台場に2人きりで遊びに来ていた未来(13才)と悠貴(9才)の幼い姉弟は、マグニチュード8.0の大地震に遭遇!崩壊した街を前に、絶望する人々…。 姉弟は、偶然出会ったバイク便ライダーでシングルマザーの真理と共に、それぞれの家族の待つ家を目指す。はたして3人は無事、愛する家族と再会することができるのか。

作者プロフィール

橘 正紀

橘 正紀

1976年生まれ。TVアニメ『ワイルドアームズ トワイライトヴェノム』で初演出の後、『攻殻機動隊 S.A.C.』シリーズなどの絵コンテ・演出を担当。ゲーム特典『The King of Fighters: Another Day』で初監督の後、『東京マグニチュード8.0』の監督に抜擢される。キネマシトラス所属。

贈賞理由

すべてのアニメはフィクションでありファンタジーだ。たとえ事実に基づいた物語であろうとも。かつて、この種の題材を扱った作品の多くが、その恐怖を迫真に描写しようとして、作画、美術に高いクオリティを求め、そのことで作品をいっそう「優れた空想(ファンタジー)」としてしまっていた。しかし、震災とは「現実」なのだ。本作のスタッフはそのことに対しきわめて自覚的だ。中盤からの展開で、本作は単なるファンタジーから超現実になった。多くの視聴者が終盤に主人公の姉がたどり着いた場所に心を震わせたはずだ。父、母、兄、姉、弟、妹、祖父、祖母、恋人、親友など。本作は私たちの暮らす世界のもろさを思い知らせてくれただけでなく、何気ない日常でこそ大切にしなくてはならないものを思い出させる。明日、私たちの大切な人は失われてしまうかもしれないのだ。本作の表現する「喪失感」は本物であり、その意味において他に類をみない傑作である。

8つの質問

Q1
「作品をつくりたい」と思ったのは、どんなことがきっかけでしょうか?
A1
小学校低学年の頃に公民館の巨大なスクリーンで初めて映画を見て、衝撃を受けたのがきっかけ。その頃から映像に興味を持つようになりました。
Q2
現在、おもに使用している創作ツールは何ですか?
A2
紙と鉛筆。
Q3
作品に対して、最も重視されているところはどこですか?
A3
人間の内面を描く
Q4
創作活動を通して、持ちつづけているテーマは何ですか?
A4
人に伝わるものをつくる。
Q5
テクノロジーを使った表現や、メディアという伝える手段をどのように考えて創作されていますか?
A5
表現の限界であると同時に、アイデア次第で勝負できる場所。「この技術、このメディアでこんなことができるのか」と見る人をびっくりさせられたらおもしろいだろうな。などなど。
Q6
あなたが一番影響を受けた、人物や作品、出来事を教えてください。
A6
小学校の行事で、市民会館で見たウォルフガング・ペーターゼン監督の「ネバーエンディング・ストーリー」。 学校に帰ってから友達と映画について興奮しながら話したこと。映画を見て空想の世界を共有できるというのが新鮮でした。
Q7
今後どのような作品を創作していこうと考えていますか?
A7
いつまでも人に見てもらえるような作品。
Q8
あなたにとって「創作する」ということは何でしょうか?
A8
人生の一部。

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