ケーブルカーで山中のとある場所に行くあいだ、ひとりの老人が嗅ぎタバコに興じている。すると、くしゃみをするたびにケーブルカーがどんどん分解していく。それにもかかわらず、老人は運命をまったく受けいれようとせず、いっこうに平気のようだ。

Claudius GENTINETTA
1968年スイス生まれ。これまで主にアニメーションと風変わりなマンガの制作に打ち込む。ルツェルン、カッセル、リバプールなど各地の美術学校で受けた教育が大きく貢献している。1995年、奨学金によってクラクフに1年行く機会を得るが、そのときの経験がその後の作品に大きな影響を与える。現在チューリッヒに家族と在住。目下、手がけているプロジェクトは『ディープ』というアニメーションで、大変期待されている。

Frank BRAUN
1965年スイス、ヴィンタートゥール生まれ。1990年以来、チューリッヒに在住し、アートシアターのマネジメントディレクター、プログラムディレクターとして活動。また1995年からスイスのバーデンで行なわれているファントーシュ国際アニメーション映画祭の共同設立者、共同運営者。2002年からファントーシュのディレクターを務めている。ふたりの息子(1989年と1991年生まれ)の父親でもある。
別の映画祭で、ある日本の映画制作者が文化庁メディア芸術祭の連絡先をくれたので、それでこの作品を応募しました。今回の受賞のことを聞き本当にうれしいです。ありがとうございます。
海外応募作品のなかでストレートに「おもしろい」作品に出会えた。タイトルは『The Cable Car』だが、これは日本では「ロープウェイ」と呼ばれるのでその認識で話を進めるが、そのゴンドラに鼻炎持ちらしき老人が乗り込み山頂へと向かう。老人がくしゃみをするたびにその風圧で車体が破壊され、ついには…。ギャグがエスカレートしていく伝統的なカートゥーンスタイルの演出で、シンプルなストーリーをテンポよく見せていくいっぽう、キャラクターの造形と美術は、手描きドローイングと3DCGを巧みに融合させ温かみや手ざわり感のある画面と動きを生みだしている。ロープウェイの落下の恐怖はスイスならではの身近なテーマなのかもしれないが、日本でもあれにのって足元がヒヤリとした体験者は多いはずで思わず引き込まれてしまう。鼻がムズムズ、足がスースーする生理的な体感と相まって、おかしいけれどちょっと怖い、不思議な味つけが印象に残る逸品である。
「作品をつくりたい」と思ったのは、どんなことがきっかけでしょうか?
私のライフワークなのです。アニメーションは12歳のときからつくっています。
現在、おもに使用している創作ツールは何ですか?
黄色の鉛筆と紙です。
作品に対して、最も重視されているところはどこですか?
(平和と幸せ)
頭の中にあるたくさんのイメージを紙の上に正確に描きだすこと。
頭の中にあるたくさんのイメージを紙の上に正確に描きだすこと。
創作活動を通して、持ちつづけているテーマは何ですか?
やるべきことをやる。
テクノロジーを使った表現や、メディアという伝える手段をどのように考えて創作されていますか?
物語するのに、映画制作以上によい方法はないと思います。
あなたが一番影響を受けた、人物や作品、出来事を教えてください。
Paul DRIESESENが私の先生でした。
今後どのような作品を創作していこうと考えていますか?
長編を制作しようとは思いません。生きている限り、短編をつくっていこうと思います。
あなたにとって「創作する」ということは何でしょうか?
やるべきことをやる。
(Claudius GENTINETTA)
![平成21年度[第13回]文化庁メディア芸術祭 受賞作品 平成21年度[第13回]文化庁メディア芸術祭 受賞作品](/festival/images/h1_jusyousakuhin2009.gif)










