平成21年度[第13回]文化庁メディア芸術祭 受賞作品

アート部門

Mr. Lee Experiment
© Junghwan Sung
優秀賞

Mr. Lee Experiment

インタラクティブ

作者: Mr. Lee Experiment 制作チーム代表 Junghwan SUNG

(韓国)

MOVIE

※動作環境に関してはこちら

作品概要

『Mr. Lee Experiment』は、鑑賞者が実験対象である人を異なる環境から環境へと移動させ、観察することができるインタラクティブ・インスタレーション。この作品で人は、実験動物などと同等の地位にまで貶められている。

作者プロフィール

Mr. Lee Experiment 制作チーム代表 Junghwan SUNG

Mr. Lee Experiment 制作チーム代表 Junghwan SUNG

1972年、韓国ソウル生まれ、ニューヨークのプラット大学院でCGとインタラクティブメディアを専攻し、美術学の修士号を取得。現在Soongsil大学(韓国)グローバルメディア学部の教授を務める。SIGGRAPH 2009アートギャラリー、仁川国際デジタルアートフェスティバルなど多数の展覧会に参加。共同チームとしてSanghun LEE、Jayoung KIM、Jungmi KIM、Hyomi MUN、Eusang OHとともに彼らのスキルと興味の集合をベースとして『Mr. Lee Experiment』を制作した。

受賞コメント

アジアにおける最大のメディア芸術祭のひとつである文化庁メディア芸術祭については、前から聞いていましたが、今年応募することに決めました。優秀賞を受賞したと知り、とても名誉に、また嬉しく思いました。文化庁メディア芸術祭とSIGGRAPHのような他の芸術祭との大きな違いは、文化庁メディア芸術祭がZEN-designのように独自のスタイルを持っていることです。スタッフの人はとても親切で、正確さを期し、展示のための細かい事柄にも大変気を配ってくれます。彼らの親切な気遣いと手助けが本当によいと思います。鑑賞者は私の作品を見たり対話したりすることを楽しんでくれますが、なかには、積極的な反応に敏感に対応するコンピューターや他の装置に親しみが薄いような人もいます。しかし、全体では楽しく、とてもすばらしい経験となりました。

贈賞理由

アート部門のインタラクティブに応募されたこの作品に出会ってまず興味を引かれた点は、作品内の被験者つまり人間を好き勝手にスポイトに吸い込むことができ、そして好きなところに落とすことができるところである。この「スポイト」という、誰もが体験したことがあり、その感覚を知っているツールを使用しているところがポイントである。この作品を体験しているうちに、注入・抽出をしている自分自身も誰かに動かされているのかもしれないと、誰でもが、被験者に自分を投影することになる。ここではスポイトのなかを通る液体の流れに逆らうこともできないほど、人間の存在は力を失っている。液体のなかに見える実験被験者に感情移入すると息苦しく、なんとも切ない。体験者が、人間の傲慢さと弱さの両面を簡単なスポイトの操作で行ったり来たりする感覚。これを理屈以前に、誰もがついやりたくなってしまう作品に仕上げているところが秀逸である。

8つの質問

Q1
「作品をつくりたい」と思ったのは、どんなことがきっかけでしょうか?
A1
人間と人間、あるいは人間と環境のよりよいつながりのためです。創造の結果、つながりが開かれて流れるといいと思います。
Q2
現在、おもに使用している創作ツールは何ですか?
A2
Rhino、Unity、Processing、Flash、3Ds Maxです。
Q3
作品に対して、最も重視されているところはどこですか?
A3
おもしろくてわかりやすいインタフェースの装置。
Q4
創作活動を通して、持ちつづけているテーマは何ですか?
A4
情。
Q5
テクノロジーを使った表現や、メディアという伝える手段をどのように考えて創作されていますか?
A5
メディアはリアルとバーチャル、鑑賞者とアーティスト、静と動、完全と不完全、アナログ生活とデジタル生活をつなぐ窓、あるいは媒体です。
Q6
あなたが一番影響を受けた、人物や作品、出来事を教えてください。
A6
原研哉
Q7
今後どのような作品を創作していこうと考えていますか?
A7
子どもたちが楽しめるデザインや芸術作品。物理的世界、二次元の世界そして三次元の世界を結ぶ芸術作品。
Q8
あなたにとって「創作する」ということは何でしょうか?
A8
創作するとは情を結びつけることです。

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