平成21年度[第13回]文化庁メディア芸術祭 受賞作品

エンターテインメント部門

日々の音色
© 2009 Zealot Co.,ltd / Neutral Nine Records/SOUR
大賞

日々の音色

MV

作者: ナカムラ マギコ / 中村 将良 / 川村 真司 / Hal KIRKLAND

(日本/オーストラリア)

MOVIE

※動作環境に関してはこちら

作品概要

SOURのこの歌が問いかける"いろいろな価値の氾濫する世の中で、本当に大切なものは何?"の答えは、どんなに文明の利器が進化しても変わらないはず。たくさんの方の協力のもとWebカメラで撮影した素材を編集することで、人と人がつながる気持ちをシンプルに楽しく表現した。

作者プロフィール

ナカムラ マギコ / 中村 将良 / 川村 真司 / Hal KIRKLAND

ナカムラ マギコ / 中村 将良 / 川村 真司 / Hal KIRKLAND

制作メンバーは4人。中村将良はモーショングラフィックデザイナー/イラストレーター、ナカムラマギコは映像ディレクター、川村真司はアートディレクター、Hal KIRKLAND はコピーライターとして、現在ニューヨークで活躍している。

受賞コメント

私たちは現在NYに在住しておりますので、メディア芸術祭での受賞がどれくらいのものであるかが頭ではわかっていても実感することができていなかったのですが、日本に帰ってきてみて、主要駅に掲示されたポスターや、美容院で見たファッション雑誌のなかの広告、そしてなにより日本の友人・知人の反応で、この賞の大きさをあらためて体感することができました。また、我々の展示ブースで私たちの作品を観てくださっている方々の反応をダイレクトに見ることができてとてもうれしかったです。と言いますのも、この作品はもともとYouTubeをはじめとしたWeb上での発表でしたので、みなさんの感想や反応は、文字でしか感じとることができませんでした。それだけでも私たちはじゅうぶんうれしかったのですが、今回の展示では、シーンが展開していく度に、みなさんの表情が笑顔や驚きの表情に変わっていく姿を間近で見ることができたり、いろいろな方々が、みんなそれぞれ違う場所で違う反応をしていることを知ることができて、新しい刺激を受けました。今回はこのような賞と、このような機会をいただき、本当にありがとうございました。そして作品に足を止めて観ていただいた方々に、心よりお礼を申しあげます。

贈賞理由

個々のグリッド内の映像は、Webカメラを使用した無編集の素人投稿映像のようだ。だが、それはリアリティを演出する作者の意図だ。見ている人はそれに騙され、いつものYouTubeの画像を見る気分になる。そこでグリッド間のインタラクションが発生したり、グリッドを越えて映像が移動したりするものだから、びっくりし次の展開に引きつけられる。すべては計算された演出によるものだが、その演出を実現するためのプランニングがすばらしい。各グリッドの映像がプラン通りになるように事前に緻密かつ膨大な準備をし、映像を収録するという作業を繰り返したはずだ。Webカメラの映像をただ集めただけに見えるというところが、この作品の完成度の高さを表している。 さらに、グリッドを越えWebを越えて触れ合う人々という演出テーマが、曲のテーマと重なりあっている。映像作品としてすばらしいだけでなく、ミュージックビデオ本来の目的も達成されている。作者のプロとしての力量の高さが示された作品だ。

8つの質問

Q1
「作品をつくりたい」と思ったのは、どんなことがきっかけでしょうか?
A1
生まれたときからある欲求なので、きっかけは特にないように思いますが、つくることを続けていられるのは、観てくれる人がいたり、それに反応してくれる人がいたり、完成を喜んでくれる人がいるからではないかと思っています。
Q2
現在、おもに使用している創作ツールは何ですか?
A2
この世にある素材すべてが創作ツールなので、作品によって異なります。
Q3
作品に対して、最も重視されているところはどこですか?
A3
(いろんな意味で)自分ひとりだけの作品ではない、ということ。
Q4
創作活動を通して、持ちつづけているテーマは何ですか?
A4
思いやり。
Q5
テクノロジーを使った表現や、メディアという伝える手段をどのように考えて創作されていますか?
A5
生きていく流れのなかでたまたま遭遇した手段のひとつであって、それに括って考えたことはあまりありません。 つぎはどんな伝える手段ができてくるのか楽しみです。できればお年寄りとかにもわかるような、もっと身近でわかりやすい手段が生まれたらいいですね。
Q6
あなたが一番影響を受けた、人物や作品、出来事を教えてください。
A6
いままで生きてきたなかで関わってきた人たち、作品、出来事すべてに影響を与えられていると思います。ひとつだけ、というのは決め難いです。ただ、(私は不器用なので)ものごとがうまくいかず落ち込むときは、茨木のり子さんの「汲む」という詩を読みます。
Q7
今後どのような作品を創作していこうと考えていますか?
A7
鮮でやさしく楽しくて、大切なことに気づくきっかけをつくれるような作品。
Q8
あなたにとって「創作する」ということは何でしょうか?
A8
生きること。
(ナカムラ マギコ)

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