支配民族カーマは戦争によって惑星ルーンを凍結させ、隣星へ移住した。それから四千年が経ち、戦争の記憶も風化した頃、惑星ルーンの氷が溶け始め、カーマたちはかつての母星への移住を始めていた。歴史の闇に封印されていた驚異の力を手に入れた少年デュルクが自らの宿命に立ち向かう壮大なSFファンタジー。

三宅 乱丈
1966年生まれ。北海道出身。バンタンデザイン研究所専門学校卒業。アパレル会社勤務を経て、1998年マンガ家としてデビュー。ギャグからシリアスまで、幅広いジャンルの作品を常に独自の世界観で描きだす。代表作に『ぶっせん』『ペット』『イムリ』など。
文化庁メディア芸術祭の展示をみて、大変大きな賞をいただいたのだなと実感いたしました。すみずみまでじっくりと展示を見てまわる時間はなかったのですが、それでも作品のもつおもしろさがすぐに伝わる展示もあって、こんなに多くの世界から、こんなにいろいろな目線や想いで創造された作品が、ジャンルが違ってもひとつの会場に集められていることに興奮しました。表現の広さを目の当たりにできて、大変刺激を受けました。
今回の賞は身に余ることですが、本当に励みになりましたので、そして、この賞は力を貸してくださっている方々のおかげでいただけた賞だと思いますので、感謝の気持ちをもってもっとがんばっていきたいと思います。
緻密に構成された壮大な叙事詩を、堂々と物語る本格異世界ファンタジー。4000年前の戦争で凍りついた母星を離れ、隣星マージに移り住んだ、勝利者カーマの民と奴隷民イコル。母星ルーンに留まったイムリの民に伝わる「イムリの道具」の謎を探るため、ルーンに向かった呪師候補の若者デュルクは、自らの秘められた宿命に導かれ、歴史の闇に埋もれた民族の運命にただひとりで立ち向かう。そのキーワードとなるのが、イムリの民の証しである双子が互いに見る幻夢のイメージであり、人の心を意のままに操るカーマの呪師たちの「侵犯術」や、物質と交信してその力を引きだす「イムリの術」だ。誰も見たことのない異世界を、まるで見てきたように描きだす物語世界の構築力が抜群。それは作者の現実世界への観察力と、その本質へと届く想像力のたまものだろう。弱く危険な人間の心への洞察にあふれた、ダイナミックでスリリングな知的エンターテインメントである。
「作品をつくりたい」と思ったのは、どんなことがきっかけでしょうか?
引っ越しして、山の近くに住んだことがきっかけだと思います。
現在、おもに使用している創作ツールは何ですか?
アナログです。
作品に対して、最も重視されているところはどこですか?
SFファンタジーなので、その世界観をわかりやすく伝えられているかどうかという点です。
創作活動を通して、持ちつづけているテーマは何ですか?
人間の自由や責任といったことがテーマのなかにあると思います。
テクノロジーを使った表現や、メディアという伝える手段をどのように考えて創作されていますか?
私の場合はマンガなので、単行本がいつまでも読者の方のもとに保存されていてほしいという気持ちです。
あなたが一番影響を受けた、人物や作品、出来事を教えてください。
子どもの頃から読んでいるマンガ全般です。たくさんありすぎてひとつに絞れません。すみません。
今後どのような作品を創作していこうと考えていますか?
まだ作品が途中なので、とにかくいまの作品を完結させたいです。
あなたにとって「創作する」ということは何でしょうか?
伝えられるということです。
![平成21年度[第13回]文化庁メディア芸術祭 受賞作品 平成21年度[第13回]文化庁メディア芸術祭 受賞作品](/festival/images/h1_jusyousakuhin2009.gif)









