平成21年度[第13回]文化庁メディア芸術祭 受賞作品

マンガ部門

へうげもの
© 山田芳裕/講談社
優秀賞

へうげもの

ストーリーマンガ

作者: 山田 芳裕

(日本)

作品概要

織田信長と豊臣秀吉に仕えた戦国武将、古田織部の「出世」と「物」のふたつの欲を描いた物語。武将たちの戦いや天下をめぐる権謀などが繰り広げられるなかで、茶道や茶器、建築など、戦国時代の美や文化に重きを置いている作品。タイトルにもなった「へうげる」は「ふざけている」「おどけている」の意味である。

作者プロフィール

山田 芳裕

山田 芳裕

1968年新潟市生まれ。大学在学中に講談社主催ちばてつや賞に『大正野郎』で入賞。同作品で「モーニング」(講談社)よりデビュー。時代の一歩先をとらえる鋭敏なセンス、余人の追随を許さない豪快な描写により、骨太な作品を連発。上記以外の主な作品は『デカスロン』、『度胸星』、『ジャイアント』、『へうげもの』など。

贈賞理由

数寄者大名・古田織部という、いままで誰も目をつけなかった人物を主人公にし、茶の湯の「わび数寄」文化を軸に、数多くの武将に影響力をもった千利休が、革新的な美的価値を武器に、信長や秀吉といった権力にどのようにに抗ったのか、そしてその遺志を織部が無骨この上ない徳川時代への変転のなかで、どう大胆かつ軽妙に変容させていくのかが描かれる。壮絶な利休の最期にあっと驚くいっぽうで、弟子の山上宗二が無残な死と引きかえに残した名物記『山上宗二記』がこの作品のベースになっている点が特筆ものだ。作中には茶の湯以外にも、障壁画の鬼才長谷川等伯、デザイナー本阿弥光悦、空間プランナー小堀遠州、歌舞伎の母出雲阿国、血みどろ絵巻や洛中洛外図の岩佐又兵衛などが、やがて庶民に降りていく芸術文化の先駆けとして登場する。大胆な推論と解釈によって、歴史上の人物たちに新しい生命を吹き込み、マンガならではの「見てきたような大嘘」が展開されている。

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