国内展覧会情報

「エレメント 構造デザイナー セシル・バルモンドの世界」

[ アート ]

「エレメント 構造デザイナー セシル・バルモンドの世界」《H_edge(ヘッジ)》2009, photo:Alex Fradkin

【会期】2010年1月16日(土)─3月22日(月・祝)
【会場】東京オペラシティアートギャラリー
【参考サイト】
http://www.operacity.jp/ag/exh114/

セシル・バルモンドは、構造エンジニアリングの枠を超えて建築家と創造的な協働を行なう構造家です。建築家のデザインを構造家が支えるというこれまでの関係を変え、構造そのものがデザインを導く現代建築の潮流をつくった人物として高く評価されています。
この展覧会は、バルモンドが考える建築の構造、その基本となる数の世界がいかに自由で、自然の摂理にもとづいたものであるかを示すものです。不動性から逃れられないと考えられていた建築にダイナミズムをもたらしたバルモンドの仕事の根源は、植物の生長、波のリズム、炎の性質など身近なものにありました。建築構造を単なる技術ではなく哲学のレヴェルにまで昇華させたバルモンドの思想が紹介されています。

“Your chance encounter” / オラファー・エリアソン- あなたが出会うとき

[ アート ]

オラファー・エリアソン- あなたが出会うときOlafur Eliasson Slow-motion shadow in colour, 2009
Installation view at “Olafur Eliasson Your chance encounter” (2009-10)
Organized by 21st Century Museum of Contemporary Art, Kanazawa
Courtesy of the artist and Gallery Koyanagi, Tokyo
(C) 2009 Olafur Eliasson Photo: Keizo Kioku

【会期】2009 年11 月21 日(土)―2010 年3 月22 日(月)
【会場】金沢21世紀美術館
【参考サイト】
http://www.kanazawa21.jp/

色や光を駆使した作品によって、人間の知覚の仕組みに問いかける作品で知られる現代美術作家、オラファー・エリアソン。光、影、色、霧、風、波などの自然界に見られるさまざまな要素によって特徴づけられるエリアソンの作品群ですが、科学的な仕組みを問うものではなく、現象をつくり出す仕掛けは作品の中で明らかされています。そのために、人々は却って「見る」という行為を純粋に楽しみ、取り巻く環境のなかで新しい発見や体験をする機会とすることができるのです。
また、エリアソンは妹島和世+西沢立衛/SANAA が設計・デザインした美術館を建築的・機能的に深く読み解き、金沢21世紀美術館を成り立たせる、さまざまなファクターに大胆に挑んでいます。美術館の建築の特徴を生かし、作品を介して内と外を親密に関係づける試みや、回遊性や水平性を生かすように、展示室のみならず通路や休憩スペースにも作品が展示されています。
エリアソンは新世代の美術館機能を担う金沢21世紀美術館が「まちにひらかれた美術館」として社会的機能を果たしていることにも注目し、美術館が社会から切り離された芸術を鑑賞するためだけの空間ではなく、社会や都市の環境と深く関わることができるという可能性を、展覧会を通して再提案しています。

花村えい子展「見逃せないA B C ! 」

[ マンガ ]

花村えい子展「見逃せないA B C ! 」

【会期】2009年12月20日 (日)—2010年2月7日 (日)
【会場】gm ten
【参考サイト】
http://www.gmprojects.jp/

日本の少女マンガの基礎を築き画業50周年を迎えた漫画家・花村えい子を紹介しています。この展覧会は会期中、3度にわたっての展示替えを試みます。
12月20日からは「A. トキメキ編」。60 -70年代に雑誌で連載された漫画やショウワノートの表紙、着せ替えなど当時の原画を中心に展示していました。ドキリとするほど純真無垢なキラキラ輝く瞳で微笑みかける少女たち。色褪せることのないその世界は強烈なインパクトで私たちを惹き付けます。
1月13日からは「B.抒情編」。美しくたたずむ伏し目がちな、どこか遠くを見つめている女性たち。耽美で抒情的な世界や、妖しの世界が描かれた作品を中心に構成しています。
そして最後、「C.いまどき編」は1月26日(火) - 2月7日 (日)の開催です。「今、描きたいこと」をテーマに、イラストや詩など「漫画」の世界に留まらず自由に表現し、新作を中心に展示します。会期中には作家を交えたイベントも開催し、花村えい子ワールドを存分に堪能できます。

第2回 恵比寿映像祭 「歌をさがして」

[ アート ]

第2回 恵比寿映像祭 「歌をさがして」藤本隆行(dumb type)シンガポール・ビエンナーレ2008におけるLEDインスタレーション(中谷芙二子とのコラボレーション)© Fujimoto Takayuki[参考図版]

【会期】2010年 2月19日(金)─2月28日(日)
【会場】東京都写真美術館全フロア、恵比寿ガーデンプレイスセンター広場ほか
【参考サイト】
http://www.yebizo.com/

恵比寿映像祭は、年に一度、10日間にわたり東京都写真美術館全館を使って、ジャンルをまたがる作品が一堂に集う「アート&映像」の総合フェスティバルです。参加するアーティストは100名、出品総数約160作品。歴史的な巨匠から、最前線で活躍する実力派、躍進著しい注目の若手まで幅広いアーティストが展示、上映、ライヴ・イヴェント、講演、トーク・セッションなどに参加します。そして、さまざまな組織や人とリンクすることで広がりをもっています。
また、美術館のなかだけではなく、恵比寿ガーデンプレイス「センター広場」や渋谷街頭の大型ヴィジョンで屋外展示も行なわれます。街のなかで体験できる作品をお楽しみください。

たとえば、作品は、写真や映像を用いて、イスラム社会におけるジェンダーやその描かれ方を問う作品で国際的に高く評価されている、シリン・ネシャットの《男のいない女たち Women Without Men 》(第66回ヴェネチア国際映画祭銀獅子賞受賞)や、C.W.ウインター+アンダース・エドストロームの《アンカレッジ TheAnchorage 》(ロカルノ国際映画祭グランプリ金賞受賞/ロサンゼルス映画批評家協会賞2009インディペンデントフィルム部門大賞受賞)を、“アジア初” 上映します。

「クリストとジャンヌ=クロード展 LIFE=WORKS=PROJECTS」

[ アート ]

クリストとジャンヌ=クロード展 LIFE=WORKS=PROJECTS」写真:ウルフガング・フォルツ「包まれたライヒスターク、ベルリン、1971-95」

【会期】2010年2月13日(土)―4月6日(火)
【会場】21_21 DESIGN SIGHT
【参考サイト】
http://www.2121designsight.jp/program/christo_about.html

パリ最古の橋ポン・ヌフを輝くベージュの布で包み、カリフォルニアの丘陵地帯と日本の田園風景に黄色と青の傘の花を咲かせ、ベルリンのライヒスターク(旧帝国議会議事堂)を銀色の布で包んでしまったクリストとジャンヌ=クロード。彼らのプロジェクトは常にゆるぎないコンセプトのもと、長い年月を費やしながら人々を説得し、実現へと進められていきます。2005年2月、ニューヨークのセントラル・ パークにサフラン色のゲートを7503本連ねたプロジェクトは私たちの記憶に新鮮ですが、これも20年以上に渡る交渉の末についに実現したものでした。
この展覧会では、こうした活動の軌跡を表すドローイング作品や完成したプロジェクトの写真、ドキュメンタリー映画などによって、壮大なプロジェクトを現実のものとしていくプロセス、さらにはその根底に宿る情熱、希望にも目を向けます。2009年11月18日、ジャンヌ=クロードは惜しくもこの世を去りましたが、クリストは今もなお二人が描いたプロジェクトのためにさらに歩みを進めています。
会場では、コロラド州の『オーバー・ザ・リバー』やアラブ首長国連邦での『マスタバ』等、現在進行中のプロジェクトの一部もあわせて紹介します。
クリスト、ジャンヌ=クロードと三宅一生との長年の友情関係を背景に、二人のプロジェクトに25年間関わってきた美術評論家 柳正彦の監修によって構成される展覧会。本展を通して、驚きと感動に満ちた二人の「LIFE=WORKS=PROJECTS」に触れる機会をつくります。

リフレクション—映像が見せる “もうひとつの世界”

[ アート ]

リフレクション—映像が見せる “もうひとつの世界”©ローラン・モンタロン《海戦は明日あるだろうか?》2008、フィルム1080i/HD
Courtesy:galerie schleicher+lange, Paris

【会期】2010年2月6日(土)—2010年5月9日(日)
【会場】水戸芸術館現代美術ギャラリー
【参考サイト】
http://www.reflection-alternatives.jp/

この展覧会は、映像を今の社会や個人をめぐる多様な「もうひとつの世界」を反映(リフレクション)するメディアとしてとらえます。2000年以降の映像美術のなかから、映像を「見えないもの/隠されたものを可視化するメディア」として用い、社会や個人の小さな物語を照らし出す国内外7名と2組の作品を紹介します。マスコミ報道とは異なるオルタナティブな視点で社会の周縁にある出来事や人びとを見つめるものから、個人の内面で紡ぎだされるイメージや世界観にビジュアルを与えるものまで、テーマやスタイルの異なる作品群が私たちを刺激的かつ耽美的な映像の旅へと連れ出します。思索(リフレクション)を誘うメディアとしての映像(リフレクション)を見てはいかがでしょう。  
出品作家:宇川直宏、さわひらき、ジェレミー・デラー、Chim↑Pom、藤井光、マティアス・ヴェルムカ&ミーシャ・ラインカウフ、八幡亜樹、ライアン・トゥリカーティン、ローラン・モンタロン

束芋 断面の世代

[ アート ]

束芋 断面の世代束芋《油断髪》(イメージ)2009年、映像インスタレーション
Courtesy the Artist and Gallery Koyanagi

【会期】2009年12月11日(金)―2010年3月3日(水)
【会場】横浜美術館
【参考サイト】
http://www.yaf.or.jp/yma/jiu/2009/exhibition/tabaimo/

《にっぽんの台所》、《にっぽんの通勤快速》、《公衆便女》など、現代美術家・束芋(たばいも)は、日本の現代社会の断片的風景を、独特の感性で描き出し、そのアニメーション映像を空間的に構成するインスタレーションで世界的評価を受けてきました。
デビュー間もない2001年には、第1回横浜トリエンナーレに最年少で出品したことでも話題になりました。デビューから10年、束芋は、再びこの横浜で、5点の大型映像インスタレーションのすべてが新作という、かつてない規模の個展を開催します。
30代半ばを迎える束芋が、テーマにするのは、自らの世代感と世界観そのものです。近年の作品で束芋は、現代の典型的イメージをつなぎ合わせるような作風から、指、髪の毛、内臓などをモチーフとする、より内的な作品へと表現の幅を拡げてきました。そこからさらに展開し、自分を取り巻く世界、昭和を知る最後の世代である同世代の感覚、異なる時代に生きた同年代の人々を見つめ直し、新たな作品世界を切り開いていきます。
この展覧会では、そうした束芋自身をめぐる世界が、集合住宅という形で象徴されます。同じ間取りの部屋に、全く異なる生活が連なっている集合住宅。そこに包丁をいれるように、束芋は集合住宅の「断面」を切り出し、現在と過去が渾然一体となったさまざまな人生をえぐり出していきます。続く作品群では、人や自然といった生ある物の「断面」へと踏み込んでいき、より深遠な世界像を結んでいきます。

「束芋 断面の世代」のレポートが「One Step to Exhibition Vol.20」にあるので、こちらもご覧ください。

ラブラブショー

[ アニメーション, アート, マンガ ]

ラブラブショー

【会期】2009年12月12日 (土) ― 2010年2月14日 (日)
【会場】青森県立美術館・十和田市現代美術館
【参考サイト】
http://www.aomori-museum.jp/ja/exhibition/28/

「出会い」がテーマの美術展・・・。
そっと、美術館で「恋」をしてみませんか。
さまざまな表現が出会い (アーティストとアーティストのコラボレーション)、作品と美術館が出会い (空間そのものを体感するインスタレーション)、それらと観客が出会うこと (新鮮で刺激的な体験)をテーマにした展覧会です。美術家をはじめ、ミュージシャン、写真家、漫画家、映像作家、デザイナー、文学者など多彩なジャンルで活躍しているクリエイターが参加。絵画×写真、漫画×映像、立体×デザインなどジャンルの枠組みを越えたコラボレーションをとおして「表現」のさまざまな可能性を探ると同時に、現代日本文化の「いま」を多角的に伝えます。岡崎京子さんやロビン西なども参加。十和田市現代美術館では第8回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞作品でおなじみの『マインドゲーム』の上映もあるようです。

「躍動するイメージ。石田尚志とアブストラクト・アニメーションの源流」

[ アニメーション, アート ]

「躍動するイメージ。石田尚志とアブストラクト・アニメーションの源流」
石田尚志《海の映画》2007 年(ヴィデオ作品)

【会期】2009年12月22日(火)―2010年2月7日(日)
【会場】東京都写真美術館
【参考サイト】
http://www.syabi.com/details/eizo_vol2.html

「映像をめぐる冒険」は、東京都写真美術館の収蔵作品を中心に、多彩な特別展示とあわせて、歴史から現代の表現までを幅広く紹介するシリーズ展です。ここでは、方法論としてあるいは概念としての「映像」について、毎回さまざまな角度から探究していきます。
第2回となる平成21年度は、「躍動するイメージ。石田尚志とアブストラクト・アニメーションの源流」と題し、抽象アニメーションの世界をとりあげます。
この展覧会は3部構成で作品が紹介されています。まず、東京都写真美術館の約3000点におよぶ映像コレクションから選りすぐられた作品を中心に、視覚装置の発達をたどることでアニメーションの原理をわかりやすく示します。次に、初期映画における抽象アニメーションの系譜をひもときます。それとあわせて同時代の絵画も展示し、絵画運動や、音楽との関係も参照します。そして最後に、世界各国の映画祭・展覧会で活躍する実力派アーティスト・映像作家、石田尚志の特集展示を行ないます。

日本の新進作家展vol.8「出発-6人のアーティストによる旅」

[ アート ]

日本の新進作家展vol.8「出発-6人のアーティストによる旅」
石川直樹 「Mt.Fuji」より 2008

【会期】2009年12月19日(土)―2010年2月7日(日)
【会場】東京都写真美術館
【参考サイト】
http://www.syabi.com/details/sakka_vol8.html

東京都写真美術館は写真・映像の可能性に挑戦する創造的精神を支援し、将来性のある作家を発掘し、新しい創造活動の展開の場となるためにさまざまな事業を行なっています。その中核となるのが、日本の新進作家に焦点をあてた展覧会です。
今年のテーマは「旅」。「旅」は、写真が発明された時から、常に写真の重要な主題のひとつでした。まだ旅行がごく限られた階層の人々だけに許された時代では、遠い異国の風景や風俗を知るには写真に頼るしかありませんでした。現在では交通機関も発達し、世界各地に実際に訪れることが可能になりましたが、旅に出るときには、必ずカメラを携えていき、旅先の風景や人々を撮影することは、ごく日常的な行為となっています。そして旅の目的も、未踏の地や山岳を調査したり、遺跡や名所を観光するだけではなく、自分自身を見つめ直したり、異国の地で現地の人と実際に生活したりとさまざまに変化しています。
今回はこれから活躍の期待される写真家、映像作家の作品を通し、6人の作家の「旅」を提示します。彼らのとらえた風景は、日本国内から海外、都市や僻地、あるいは現実ではない架空の風景もあり、その表現は千差万別です。しかし彼らの作品から、私たちが日常生活している場とは異質な空間が、世界には存在することを、あらためて認識できるはずです。「旅」の写真を通し、新たな知覚の旅へと出発できることでしょう。