海外フェスティバルレポート

韓国のアニメとマンガの祭典「SICAF 2004」レポート

韓国の、国際的なアニメーションとマンガのフェスティバル「SICAF(Seoul International Cartoon and Animation Festival)」が、今年もソウル市内のイベント会場「COEX」で8月4日から8月10日の7日間、開催された。

SICAFはソウル市が中心となり、アニメーションとマンガの文化的向上と産業育成を目的に毎年開催されており、今年で8回目を迎える。映画祭&コンテスト(ANIMASIA)、展覧会&見本市(TOONPARK)、プロモーション(SPP)とさまざまな内容で構成されている。国際化も積極的に進めていて、日本をはじめ中国、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツなど、海外からの参加も年々増加しており、来場者数10万人を超える大規模なフェスティバルである。

2005年に日韓国交正常化40周年の節目を迎えるにあたって、交流の一環として、文化庁メディア芸術祭の受賞作品を紹介するブース出展と上映会を、このSICAFで行うこととなった。 

開催地 韓国・ソウル「COEX」
開催期間 2004年8月4日(水)〜 8月10日(火)
参加概要 ブース出展、優秀作品上映、講演
URL http://www.sicaf.or.kr
展示 COEX 1F 「Pacific Hall」
上映会 COEX Mall 「MEGABOX CINEPLEX」
SPP COEX Conference Room 310、311
■ANIMASIA/映画祭

「ANIMASIA」は、昨年から行われているSICAFアニメーション映画祭で、コンテスト(ANIMASIA Awards)に入賞した作品と招待作品がシネマコンプレックス「MEGABOX」で上映された。

コンテストは、Feature Film、Short Film、TV&Commissioned、Internet Animationの4部門で構成されており、今回は応募総数約1,000編の中から14作品が受賞、日本からの6作品を含む117作品が入選を果たした。

また、招待作品として世界中の映画、テレビ、短編アートアニメーション約200編を紹介。その中には、「イノセンス」(押井守監督)や文化庁メディア芸術祭でも受賞歴のある「東京ゴッドファーザーズ」(今敏監督)も見受けられた。
他にも、一昨年アカデミー賞を受賞した「頭山」の作者山村浩二氏の特集等、多様な上映プログラムも組まれていた。
文化庁メディア芸術祭作品上映会では、期間中、「ガラクタ通りのステイン」や「FRANK」、「星の子」等のアニメーション作品を中心に、8月4日・8日の2回上映し、好評を博した。

■TOONPARK/展示会と見本市

「TOONPARK」は、学校、企業、企画展示の3つのゾーンで構成される。
学校展示ゾーンはさながら学園祭の雰囲気で、学生自身によるアニメーションとマンガの作品展示や企画展示が行われていた。
韓国ではアニメーションやマンガの振興のため、教育にも早くから力をいれており、国立大学をはじめ公立の高校にもアニメーションの学科を設立、その数は現在140校にもなるという。

企業出展ゾーンは、アニメーション、マンガ、キャラクターのライセンサーやメーカーが出展する総合見本市で、東京国際アニメフェアや東京ゲームショウにいるかの錯覚を覚えるほどであった。というのも、「ワンピース」、「ナルト」、「KATSU !」、「遊戯王」、「クレヨンしんちゃん」、「鉄腕アトム」など、日本のアニメーションやキャラクターが会場の大半を占めていたからだ。日本アニメやマンガの海外へ与える影響の大きさを、この会場で改めて実感した。

企画展示のゾーンでは、韓国のマンガやアニメーションに関する歴史、アートアニメーション、ANIMASIA Awards受賞作品などの紹介があり、文化庁メディア芸術祭のブースもこの会場に出展した。展示内容は、受賞作品の単行本を自由に閲覧できるマンガコーナー、韓国語対応の「文化庁メディア芸術プラザ」で歴代の受賞作品やアーティストを紹介するWebコーナー、ミニシアターを用意した。
ミニシアターでは「ANIMASIA」でも上映した作品を紹介。中でも「スキージャンプ・ペア オフィシャルDVD」は好評で、用意した座席数を上回る観客が集まった。また、短編のアートアニメーションのいくつかには「光州ビエンナーレ」のキュレーターから出展の相談があった。

■SICAF PROMOTION PLAN/プロモーション

「SICAF PROMOTION PLAN(SPP)」とは、韓国、中国、日本を中心に東アジアのネットワークをつくり、投資家とアーティストやプロダクションの間を取り持つ場として、2001年より開催されているSICAFのメインプログラムのひとつであり、期間中、ロードショーやカンファレンス、プレゼンテーションが開催された。

8月5日〜6日に行われたフォーラムでは、日本から寺脇研文化庁文化部長、牧野圭一京都精華大学教授、小出正志日本アニメーション学会事務局長が講演を行い、マーケットの現状と見通し、人材育成、支援政策について積極的な意見交換がなされた。

■まとめ

韓国は、アニメーション、マンガ、ゲーム、映画、音楽等のコンテンツ産業の振興に国策として力を入れていることもあり、SICAFも東アジア地域最大のフェスティバルを目指している。こうした国内全体の動きにより、作品の質も年々向上し、国際的なアニメーションフェスティバルでの韓国作品の受賞が目立つようになってきた。
例えば、今年はアヌシー国際アニメーションフェスティバルでは「Oseam」(Director: Baek-yeop SUNG)が受賞、またアメリカのSIGGRAPHエレクトロニックシアターでも「Birthday Boy」(Director: Sejong Park)が最優秀短編アニメーション作品に選ばれるなど、ハリウッドの映画関係者からも注目されている。

日本でも、すでに韓国の実写映画やテレビドラマは、確固たる人気を得ている。
今年の文化庁メディア芸術祭への韓国からの参加を大いに期待したい。

阿部 芳久

CG-ARTS協会 文化事業部 部長

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