『イジー・バルタ 闇と光のラビリンス』
配給:チェスキー・ケー
販売:ダゲレオ出版
© Kratky Film Praha a.s.
COBM-5448 ヘルミーナ・ティールロヴァー
『二つの毛糸玉』その他の短篇
配給:チェスキー・ケー、レン コーポレーション
販売:コロムビアミュージックエンタテインメント
© Kratky Film Praha a.s.
身の回りの物体をそのまま使ってアニメーションを作る技法を言う。もっとも素朴な手法であるため、非常に初期から存在していた。実際に、『自動配達会社(The Automatic Moving Company)』(1910,作者不詳)という作品では、みごとな家具や調度品のコマ撮りが見られる。
この技法を洗練させたのは、チェコスロバキア(当時)のヘルミーナ・ティールロヴァー(Hermina Tyrlova)である。代表作は、ハンカチを擬人化した『結んだハンカチ(Uzel na kapesniku)』(1958)や、毛糸玉をキャラクターにした『二つの毛糸玉(Dve klubicka)』(1962)などである。
『シュヴァンクマイエルのキメラ的世界』
¥3,990 (税込)COBM-5532
発売元・販売元:コロムビアミュージックエンタテインメント
同じくチェコの作家であるイジー・バルタ(Jiri Barta)は、世界の名作映画のパロディー手袋を使って表現した『手袋の失われた世界(Zanikly svet rukavic)』(1982)や、倉庫に放置されたマネキン人形たちの生活を描いた『見捨てられたクラブ(Klub odlozenych)』(1989)などをつくっている
チェコの作家で忘れてはならないのが、ヤン・シュヴァンクマイエル(Jan Svankmajer)である。彼は実写作品の中にも必ずと言ってよいほどストップモーション・アニメーションを取り入れている。そこに使用される素材は他に類を見ないほどユニークなもので、粘土、人形、古書、古家具、食器、貝殻、骨などに加え、パンやバター、野菜といった食材を多用している。特に、生肉、脳、舌などの使用は、強烈な印象を与える。彼がナマモノを使う理由は、“触覚”を重視しているからだという。
人間をコマ撮りする“ピクシレーション”もこの範疇に入るだろう。NFBのノーマン・マクラレン(Norman McLaren)が命名したもので、語源はPixy(イングランドの妖精)から来ている。彼の『隣人(Neighbours)』(1952)は、1輪の花をめぐって隣人同士が争う話だが、人間が空中浮遊するなどのコミカルな動きが話題になり、ピクシレーション技法を一気に世界に広めた。この技法はミュージックビデオなどに使用されることが多く、代表作としてピーター・ガブリエルの『スレッジハンマー』(1986)がある。
『シュヴァンクマイエルの不思議な世界』
配給:チェスキー・ケー
販売:ダゲレオ出版
© Kratky Film Praha a.s. & ALEF Studio, Ltd.
■『闇・光・闇』(Tma/Svetlo/Tma,1989)と『対話の可能性』(Moznosti dialogu,1982)
ヤン・シュヴァンクマイエルの『闇・光・闇』には、粘土で造形された人物のパーツに加え、本物の脳や舌が登場する。『対話の可能性』は、アルチンボルドの肖像画『連作四季-春・夏・秋・冬』をモチーフにして、野菜や肉などの食材でできた顔と、食器や調理器具による顔が互いを食べ合うという場面が登場する。
疑問に思うのが、長時間に渡るアニメートの作業において、素材の変色や腐敗をどう防いでいるかだ。これについてシュヴァンクマイエル本人に直接聞いてみたところ、「最大のコツは,良い肉屋を見つけるということです(笑)。もちろん人間ではなく、豚や牛の組織を使っているわけですから、毎朝新鮮な肉や内蔵を提供してくれるお店の存在が不可欠なのです。そしてこれらに金属のワイヤーを仕込んだり、糸をつけたりして操作するのですが、肉の表面にオイルを塗って新鮮な印象を保ったり、舌などは唾液のような質感の液体を塗ったりしていますね。私自身はもう歳なので、最近はベドジフ・グラセルとマルチン・クブラークというアニメーターたちに撮影をまかせています」ということだった。 DVD『シュヴァンクマイエルの不思議な世界』(ダゲレオ出版)に収録されている。
© ワーナーミュージック・ジャパン
■『スレッジハンマー』(Sledgehammer)
ピーター・ガブリエルが初の全米No.1を獲得し、世界的なヒットを記録した曲のプロモーションビデオ。監督はスティーヴン・ジョンソン(Stephen Johnson)。オブジェクト・アニメーションが多用されているが、このアニメートにはブラザーズ・クエイ(Brothers Quay)やアードマン・アニメーションズのスタッフが参加しており、アニメ史上でも重要な作品。1987年のMTVミュージック・ビデオ・アワードで全11部門中の6部門を受賞している。ピーター・ガブリエルのミュージッククリップ集DVD『Play』に収録されている。

















