[12月 光、闇、雪]
『精(雪夜、初雪)』 足立 元
「闇の黒から浮かび上がり、動きだす。暖かく、力強い雪の生命の光。」
12月の担当となり、冬、夜、寒などのイメージから日本の文様を眺めてみました。イメージとして具体的なかたちといえば、やはり雪の文様が最も12月らしいものでしょうか。文様はモチーフを様式化し平面に表しますが、ここではそれを変形することにより空間に戻すことを試みました。
夜の闇の中に浮かび上がる雪の文様。そこに生まれた形が一瞬光の中に浮かび上がり、動きだす様子をイメージしています。
色彩は、闇をあらわす黒、雪の白、冬の寒さと対象をなす暖かさを印象づける黄色や橙の暖色を組み合わせました。また、題名の「精」には生まれたての生命のもつ力強さを作品にもたせたいとの考えをこめています。
過去の芸術には光の表現に優れたものが多くあります。たとえばレンブラントの光と陰の表現にはただ圧倒されるばかりです。彼の作品に「皮を剥がれた牛」と題されたものがあります。やはり闇の中から浮かび上がってくるテーマが印象深い作品ですが、解体された牛の身体が光の中に描かれており、抽象的とも言える表現に闇の中から浮かび上がる生命を感じます。絵画とCGとは別のジャンルですが、光と陰はそれを超えて魅惑的なテーマだと思います。
足立 元(あだち はじむ) 広島市生まれ。筑波大学芸術専門学群卒業。奈良教育大学大学院修了。奈良教育大学非常勤講師等を経て現在、日本文理大学講師。CG静止画像の制作・発表とCG表現に関する教育、研究を行なっている。第2回文化庁メディア芸術祭優秀賞。個展、グループ展など多数。芸術科学会、美術科教育学会、日本美術教育学会、各会員。 |



