TVMLが最初に発表されたときは写真上のようなキャラクターしかなかったが、いまは写真下のタイプも付属するようになった。もっとリアルなものがほしければ自作するしかない。
TVMLはNHK放送技術研究所が開発した「テレビ番組記述言語」だ。WebページをつくるためにHTMLを書くみたいに、テレビ番組をつくるためにTVMLを書くというわけ。
テレビ番組といってもアナウンサーや俳優を探してくる必要はない。3Dキャラクタがすでに用意されているのだ。スタジオもすでにある。カメラワークなどはお手のものだ。つまり、TVMLを使えばコンピュータの中でテレビ番組をつくれてしまうのだ。
TVMLは(いまのところ)TVMLプレイヤーという専用ソフトで再生される。3Dキャラなどは、このプレイヤーの中に用意されているのだ。
3Dキャラには、歩かせたり、お辞儀をさせたり、手を動かしたりなどの演技をつけることができる。日本語や英語の文章を読ませることも可能だ。もっとも音声合成はまだちょっとたどたどしい。それはそれで味があるのだけど、もっと流暢にしたければ、あらかじめ人間のしゃべりを録音しておいて、それをキャラの動きに合わせて再生させることになる。
付属する3Dキャラではものたりなくなったら(たいていそうなる)、CGモデリングソフトでOBJフォーマットのデータをつくって定義すれば、それをキャラとして動かすことができる。
また、音楽を流したり、画面の一部あるいは全体に動画データをはめ込むことも可能だ。ちょっとしたニュースショウならすぐにつくれそうだ。
外部制御モードももっているので、視聴者のリアクションによって内容が変わっていくというインタラクティブな番組もつくることができる。ただしこれはVisual C++ .NETを使ってちょっと開発をする必要がある。
もともとTVMLは、多チャンネル時代に向けて、安価に番組コンテンツを作成する目的で開発された。でも、これはもっといろいろ遊べる。たとえば、Video Podcast。いまの番組はパーソナリティが顔出ししてしゃべるというスタイルをとるものが多い。ひとりでつくるにはそれが一番簡単だからなんだけど、顔出しはいやだとか、もっと違うスタイルの番組をつくりたいとか思う人もいるはずだ。そんなときにTVMLはとても便利だ。
もっともTVMLそのものをいじるのは、ちょっと大変だ。WebページをつくるのにHTMLを直打ちするくらいの苦労がいる。そこで、もっと簡単に番組を制作できるTV4Uというソフトが現在開発されている。これを使うと、ブログを更新するくらいの苦労でそれなりの番組が制作できてしまうらしい。半年後ぐらいの完成を目指しているらしいのだけど、βでいいからできるだけ早く発表してほしい。
また、携帯電話にTVMLプレイヤー機能をもたせるという計画もあるらしい。これが実現すると、小さなサイズのTVMLデータを送るだけで、ちょっとした番組を再生できるようになるわけだ。実現するかどうかはまだわからないけど、これにも期待がもてるだろう。
TVMLオフィシャルホームページ
http://www.nhk.or.jp/strl/tvml/
プレイヤーのダウンロードや言語仕様書もある。
こばやしゆたか ライター。最新技術から少し変わったおもしろい技術まで幅広く取り上げ、HOTWIREDをはじめ、さまざまな媒体で紹介している。無類のペンギン好きでもある…と書くとLinuxのことだと思う人が多いが、そうではなく本物のペンギン、とくにアデリーペンギンが好きで、ペンギンのウェブサイトも運営している。 |


