松下電工の「EKL3101」(写真上)とSwissRangerの「SR3000」(写真下)。赤外線LEDが白く見えるのはデジカメで撮ったせいで、肉眼では光っては見えない。
6月に行なわれた産業用バーチャルリアリティ展(IVR)には、いろいろおもしろいデバイスが展示されていた。今回はその中から距離画像測定カメラを取り上げよう。
これは、被写体までの距離を撮影するカメラだ。ポイントした一点までの距離を測るのではなくて、カメラと同じように視野内にあるものすべての距離をリアルタイムで測定し、遠くは黒くて近くは白い(逆でもいいけど)といったようなグレイスケール画像にする。普通のカメラと組み合わせれば、アルファチャンネルに距離情報の入った画像というのが撮影できるわけだ。もちろん静止画だけではなく、動画もOK。
距離を測定する方法はいくつかあるようだけど、今回見たカメラはTOF(Time of Flight)を使っていた。赤外線LEDを一瞬光らせて、それが被写体にあたって跳ね返ってくるまでの時間を、各CCDごとに測定するというもの。原理は簡単だけど、光の速度を測っているんだから大したもんである。
測定できる距離は、条件にもよるが、10m弱というところ(カタログには7.5mと書いてあったりする)。それより遠いものはすべて無限遠だ。画素数も縦横百数十ピクセルといったところだ。だから、普通のカメラの画像と組み合わせたときはアルファチャンネルだけ粗いってことになる。
EKL3101のぷよぷよデモ。
SR3000で撮った距離画像。人が2人いるのがわかる。
松下電工はIVRで「EKL3101」というカメラを展示していたのだけど、そのデモがおもしろかった。来場者をカメラで撮ってディスプレイに映すのだけど、一定以上離れると、ずぶずぶと水の中に沈んでしまうのだ。あるいは、空から「ぷよぷよ」が降ってきて、ある距離の範囲にいる人にだけ、それがぽかぽかあたって跳ねたりする。
もう一社、SwissRangerの「SR3000」というカメラもあったのだけど、こちらは小型高性能が売りだ。EKL3101のサイズが150×60×78.5 mmで740gのところ、こちらは50×47×42.3mmで162g。重さで2割、体積で7分の1だ。このサイズはロボットのような動くものに取り付けるのに向いている。ロボカップレスキューという、地震などの被災地を模した瓦礫の中からダミー人形を捜し出すという競技があるのだけど、フランスのチームが、このカメラを眼にして活躍したのだ。
このカメラはアイデア次第でいろいろ使い道がありそうだ。
クロマキーと組み合わせれば、CGでつくった空間の中を被写体の人が歩き回るなんてこともできそうだ。CG空間の中の箱の陰に隠れたりなんてこともできる。
また、ジェスチャーを撮影するとき、普通のカメラだとちょっと苦手な前後方向だけの動き(がちょ〜ん)も、これならお手のものである。
参考ウェブサイト
- 松下電工の「EKL3101」
- http://biz.national.jp/Ebox/kyorigazou/index.html
- SwissRangerの「SR3000」
- http://www.swissranger.ch/publications.php?mm=2&sm=16
こばやしゆたか ライター。最新技術から少し変わったおもしろい技術まで幅広く取り上げ、HOTWIREDをはじめ、さまざまな媒体で紹介している。無類のペンギン好きでもある…と書くとLinuxのことだと思う人が多いが、そうではなく本物のペンギン、とくにアデリーペンギンが好きで、ペンギンのウェブサイトも運営している。 |


