Vol.13 瓦礫に埋もれた大自然―究極の災いが生み出す究極の不自然.....それがART!!!??―

ここ数年、自然災害をテーマにしたアートプロジェクト『A Series of Interpreted Catharsis』を連作している。これは、地震、台風、雷、火山など、予測不可能な災害への潜在的な恐怖と、人智の及ばない強大なエネルギー、またそれによってリセットされるかもしれない現状への密かな批判や期待など、自然災害が人間の心理に及ぼす様々な影響について、“研究”していくプロジェクトである。

筆者は台風被災者である。幼少の頃から地元の香川県で、嘗て2度の床上浸水と1度の床下浸水を体験している。床上といったら地盤面から45cm以上の被害で、小学4年生の頃に訪れた台風では、外に出たら胸の辺りまで汚水に浸ってしまった。その光景は、まるでマーロン・ブランドが、汚泥の主として地域を支配しているかのようなアポカリプス感漂うものであった!!!!!!! じ、じ、地獄の黙示録???!!!!!!!! にも関わらず、畏怖の念に駆られながらも、再来すると意識が高揚してしまう自分がそこにいた!!!!!!! 傍若無人に猛威を震い、家屋を破壊し、沢山の宝物を漂流させた、そんな脅威なるエネルギーに対して、不覚にもカラミティ・ハイになってしまった、当時の自分の“あの精神状態”は一体何だったのか??

Ukawa Naohiro
Hurricane Enclosure!!!!!!!!!!!!!!
『A Series of Interpreted Catharsis Episode1: Hurricane - Katrina / Florida 2005.8.25 - Mississippi 2005.8.29, 2007』
Courtesy of Yamamoto Gendai

そのことを考察したくて、大人になった筆者は、アートの名の下に人工地震や人工台風を起こしているのだが、そもそも自然とは一体何だろう?辞書には「人為が加わっていないありのままの状態」とあるが、それなら感覚や感情や知性によって、我々人間が人為的に生み出した“アート”は不自然極まりない表現なのだろう。

Ukawa Naohiro
『A Series of Interpreted Catharsis Episode2: Earthquake - San Francisco Earthquake / Loma Prieta 1989.10.17 05:04:15-05:04:23pm, 2007』
Courtesy of Nanzuka Underground, Yamamoto Gendai
先述した筆者のプロジェクトのタイトルは『A Series of Interpreted Catharsis』であるが、台風は国境を超えて訪れて、その後被害にあった都市は復興していく。この一連の破壊と創造と清算の物語を“カタルシス”と読み替えているのだが、自分の意識とは関係なく、全てのしがらみを強引に精算させられるのも自然災害の一側面だ!!!!!! 勘ぐれば、実はそのメカニズムを逆手に取って、人為的に経済活動と結びつけたのが戦争なのではないだろうか?!!!!! そういえば竜巻に襲撃されて壊滅状態に陥ったフロリダは、嘗て報道写真で目撃した戦災後の東京大空襲の瓦礫世界と非常に似ていた!!!!!! しかし、9.11の同時多発テロを「最高の芸術作品」と評して波紋を広げたシュトックハウゼンの発言を例にとるまでもなく、勿論、筆者は、これに対して“浄化”という言葉を当てはめようとは思わない。そこには“人為的な”憎悪と怨念があるからだ!!!!! 実は、地球からしてみれば、不自然極まりない我々人間自体が、究極の災い(わざわい)なのかもしれない..........。

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