Wiener Festwochen, Brut im Künstlerhaus, June 2008
Photo by Akane Nakamura
さて問題です。ひとつの演劇作品をつくるには、はたして、どれだけの時間を要するものとされているでしょうか?
正解は、そんなのは千差万別であるはずだ、です。……当たり前ですよね。
しかし、この問いには、実はその真っ当な答えとは別の答え、というものがあります。少なくとも僕は、あるような気がしているのです。一ヵ月前後、というのがそれです。
どういうことかというと、公立の劇場やプロデュース団体の企画による公演の場合、リハーサル期間は一ヵ月前後であることがきわめて一般的である、ということです。民間劇場でもそうなのかもしれないけれど、僕はそういうところで仕事したことがないので知りません。あ、これはいずれも日本の話です。
Photo by Nobutaka Sato
たとえば僕の場合、自分の劇団で新作をつくる際は半年近く費やします。だから当然のこととして、劇団外部で演出の仕事を行なう場合も、同じくらいリハーサル期間がほしいと感じます。いや、実を言えばそれ以上に長い期間が必要だと思っています。だって、外部の仕事の場合は、長い時間をかけてコンセンサスを得る必要が出てくるからです。というのも、たいていの場合は、僕の用いる方法論を実践できるようになっている俳優たちと仕事できるわけではなく、そのとき初めて出会う俳優さんたちと、ゼロから関係を築きあげなければいけないわけなのですから。
でもこの要求は、まあ、通りません。僕が演劇界では若造だから(と言ってももう35なんだけどさ)、というのもあるのかもしれません。半年間リハーサルさせてほしいなんて、ほとんど演出料三百万円ください、というに等しいくらいの噴飯ものの要求だとさえ思われているのではないでしょうか。
僕はこの現状が残念です。これは、欲望としてはごく普通のものだと思うのです。僕は、演劇を、時間をかけてつくりたい。観客には、時間をかけてつくられたものを堪能していただきたい。
時間をかけたからっていいものができるわけじゃない、というプレッシャーやリスクを当然背負うことになるけれど、そのうえでなお、僕はそれを欲します。それというのも、僕の場合、時間をかけなければ、ほんとうにもう、どうしようもないからです。僕は、僕なりの演劇観とか、身体への考え方とか、方法論とかを持っているわけですが、それを俳優さんに実践してもらうには、とにかく時間がかかる。コンピュータにアプリケーションをインストールするような具合に事が運ぶなら、どんなに楽だろうか、てな話です。
一ヵ月前後という期間では、僕は、いわばファースト・シアター、しかつくれません。頼むから言い訳だとは思わないでほしい。
































