Vol.4 アニメーションと音楽

NHKみんなのうた『メトロポリタン美術館(ミュージアム)』
(初回放送:1984年4月〜5月)
作詞・作曲・うた:大貫妙子
アニメーション:岡本忠成

映像のための音楽は、それがアニメーションであるかどうか。ということでは考えません。とは言え、いただいたテーマがアニメーションと音楽ですから。その分野の最初の仕事はNHKみんなのうた、1984年『メトロポリタン美術館(ミュージアム)』です。映像は岡本忠成氏による人形をつかった立体アニメーションです。みんなのうた、というと子ども向けのように思われますが、私は基本的に大人向け、子ども向けというようなつくりかたはしません。ただテレビから流れてきた時に「ん?」と気を惹く何かが必要です。そして考えたのが「子供が好きなモノ」でした。カレーライス?ハンバーグ?オムレツ?ナポリタン・スパゲティー?
それを口の中で繰り返しているうちに…。
ナポリタン…ナポリタン…ナポリ…ん?メトロポリタン!!!となったわけです。メトロポリタン・ミュージアムをテーマにすれば、大人が聞いてもけっこう楽しめる!と思ってつくりました。曲の発想なんて、意外とこんなことから始まります。もう20年以上前の曲ですが、仕事でお会いする初めましての方たちが、最初に口にするのが、「メトロポリタン美術館、聞いてました!」ですから、彼、彼女たちが小さかった頃、それなりのインパクトがあったのだと思います。

『金のまきば』(新風舎)
ぶん/おおぬきたえこ え/さかいおさむ NHKみんなのうた より

1986年にやはり岡本氏の映像で『コロは屋根のうえ』をつくりました。それからみんなのうたの依頼はずーっとなくって、2003年に『金のまきば』をつくりました。映像の坂井治さんの未完の卒業制作を見て、「これは素晴らしい」と思い、その映像から曲を書きました。それを聞いて触発された坂井さんは、3分もなかったオリジナル映像を膨らませて描き、ふたりの間で何度もキャッチボールして仕上がった作品です。『金のまきば』は放送後、DVDに絵本もつけて発売になりました。坂井さんはすでにいろいろなところで作品を発表していますが、私が注目した、彼の卒業制作がなぜ素晴らしいかというと、自分のためにつくっているからです。自分のためにつくるということが、本来ものをつくることの基本だと私は思うからです。

最近の仕事では、任天堂「MOTHER3+」や、「劇場版どうぶつの森」の主題歌があります。映像の音楽は、私のもっともやりたい仕事のジャンルです。ほんとに、楽しいから!!

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