Media Arts File 真夜中の海
原美術館にて展示されたインスタレーション 「ヨロヨロン」展より(2006年) 撮影:米倉裕貴
作品概要
海を人体に見立てたこの作品『真夜中の海』において、水面は皮膚、波は人生に深く刻まれたしわを表す。体内では'カミノケ'が魚のように自由にうごめき、共存を拒めば内臓に悪影響さえ及ぼしかねない...日本古来の伝承に着目した作者が、2006年、原美術館での個展のために制作した作品である。その別館ハラ ミュージアムアークにおいて、鏡を使った新規のサイトスペシフィックなインスタレーションとして公開していた。捉えようもなく、果てしなく増幅してゆく波の動きは、見るものの興味を海の奥底へと誘ってやまない。
作者プロフィール
束芋
1975年兵庫県生まれ。1999年京都造形芸術大学卒業。同年、卒業制作として手がけた「にっぽんの台所」が「キリンコンテンポラリー・アワード1999最優秀作品賞」を受賞、最も注目を集める若手作家のひとりとなる。2002年「五島記念文化賞美術新人賞」受賞により、2002~2003年ロンドンにて1年間研修を行なう。台所や銭湯、刺青などをモチーフに、現代日本社会がはらむ問題を独自の視点でとらえて描いたアニメーション、またそれを立体と組み合わせたインスタレーションを制作。2007年のヴェネチア・ビエンナーレへの出品を始めとして、海外での展示も多い。
(プロフィール写真:稲垣尚志 Courtesy of Gallery Koyanagi)
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