Media Arts File gravicells-重力と抵抗
写真提供:山口情報芸術センター[YCAM] 撮影:萩原健一
作品概要
空間には、重力とそれに対する抵抗力という、2つの引き合う引力磁場のような仮想の力学場が設けられている。特殊な装置と水圧センサーによって開発された独自のセンシング機構は、観客による重力や重力加速度の作用をリアルタイムに計算し、映像と音に出力する。体験者は、空間の中を自由に歩き回ることで、ダイナミックに変容する映像・音・光から、身体への重力の負荷と、それに対抗する反力を感じられるのだ。見えない程の小さな重力、それに対抗する力、他者の存在による力、展示会場上空のGPS衛星の位置関係によって、日常生活とは異なった重力の環境をつくりだすこの作品。体験者は、変動する相対的な場を体感することにより、多義的な重力と、身体の知覚を再認識する。
作者プロフィール
アーティスト・三上晴子は、80年代から情報社会と身体をテーマにした大規模なインスタレーション作品を発表し、90年代に、知覚によるインターフェースを中心としたインタラクティブアート作品を連続的に発表。視線入力や聴覚と身体内音による作品、触覚による三次元認識の作品、重力を第6の知覚と捉えた作品などを、世界各国で発表。04年にはスペインより作品集を出版。現在、多摩美術大学教授。
建築家・市川創太は、建築における空間表記方法を拡張・考察し、創作活動の基盤として自らプログラムコードも書く。建築設計の手法・プロセス自体を開発実践しつつ、コラボレーションによる活動を積極的に展開。97年にはKnowbotic Researchの「10_DENCIES」に参加。04年三上晴子と「gravicells」発表。98年に建築設計、インスタレーションなど横断的活動を展開する建築グループdoubleNegatives Architecture [dNA] を開設。山口情報芸術センター[YCAM]、第11回ベネチアビエンナーレ国際建築展でハンガリー代表として選出、その後ベルリン(ドイツ)、リンツ(オーストリア)で作品を展示。08年より中谷芙二子とdNAのコラボレーションプロジェクト「MU: Mercurial Unfolding」を展開。
作品フォトギャラリー
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