キュビスム
Cubism
『ピカソ キュビスム 1907‐1917』ジョゼップ・パラウ・イ・ファブレ 著
神吉敬三他 訳
(平凡社)
20世紀初頭に起こった近代絵画の動向。多視点による立体的な画面構成によって、一点消去遠近法に基づく構図や明暗法など、ルネサンス以来の伝統的な写実主義の形態を根底から覆す強いインパクトを持っていた。動向としてのキュビスムを創始したのはパブロ・ピカソとジョルジュ・ブラックのふたりであり、その背景には、いままでのキャリアに加え、アフリカの黒人彫刻や「自然を円筒と球と三角錐(すい)によって扱う」というセザンヌの言葉からの決定的な影響もあった。ふたりによるキュビスムの探求は1907年~1914年の約7年間に及ぶが、当初はまだ残存していた具象性が徐々に失われ、画面はより抽象的な多視点の構図へと移行していく。1910年前後に画面の構成の仕方に変化が認められることから、前期を分析的キュビスム、後期を総合的キュビスムと区分して考えるのが一般的で、後期にはロベール・ドローネーやフェルナン・レジェ、ファン・グリスらの追従者も現れるようになった。もともとはアンリ・マティスがブラックの絵画を皮肉った蔑称に由来しているが、いまや20世紀美術の最も革新的な動向・手法のひとつに数えられている。




