アール・デコ
Art Déco

提供:東京都庭園美術館
1925年にパリで開催された「現代装飾美術・工芸美術国際博覧会」の略称に由来する新しいデザインの様式。同博覧会で好評を博して後、国際的に広まっていったことから「1925年様式」とも呼ぶ。様式史上の系統では前世紀末のアール・ヌーヴォーの後継に位置づけられるが、そこにはもはや優美な曲線美は認められず、その代わりにスピード感溢れる流線形や電波を擬態したジグザグ模様、太陽光を髣髴とさせる放射線などの直線的、幾何学的な図柄が多用されている。これは、合成樹脂、鉄筋コンクリート、強化ガラスといった新しい素材が生みだされ、また飛行機や自動車が世界を走りまわり、多くの工業製品が量産されるようになった1920年代の時代性や都市型消費社会の欲望を体現したものと考えられる。独特の様式は各分野に波及し、建築ではクライスラー・ビル、絵画ではアドルフ・カッサンドル、インダストリアル・デザインではレイモンド・ローウィ、宝飾品ではティファニー、ファッションではココ・シャネルらが代表例として挙げられる。日本でも杉浦非水のポスターデザインや旧朝香宮邸(現東京都庭園美術館)などにその影響が指摘される。一時期は低い評価に甘んじていたが、その機能美と装飾性が融合したデザインがまた再評価されつつある。
東京都庭園美術館
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