十二音音楽
Dodekaphonie, Zwölftonmusik, dodecaphony, twelvetone music
平均律音階中の十二音を同等に扱う音楽の総称。調性音楽では当然の主音を中心とするヒエラルキーを崩壊させたことから、ドデカフォニーとも呼ばれる。この音楽はアントン・ウェーベルンの『チェロとピアノのための3つの小品』やヨゼフ・マティアス・ハウアーの『トローペ』などを原型とするが、一般にはアーノルト・シェーンベルクが1921年に確立したものとされる。シェーンベルクは、まず12の半音が一度ずつ現れるひとつの音列の原形をつくり、ついでそれを基にして原形を後ろから辿った逆行形、音程の上芸を反対にした反行形、反行形と逆行形を組み合わせた反行逆行形の4つの形、さらにそれを十二音に配置した総計48の音列をつくり出した。そのうちいくつかの音列を用いて音楽を構成する対位法的な十二音技法を考案し、『5つのピアノ曲』(1923年)『セレナード』(1923年)『ピアノ組曲』(1924年)などを作曲した。シェーンベルクの弟子にあたるウェーベルンは十二音理論をさらに発展させてミュージック・セリエルの基礎をつくり、また戦後にはストラヴィンスキーもこの理論に基づいて作曲を行なった。現代音楽の作曲で用いられることはあまりない技法だが、理論的な影響力はきわめて大きい。



