オーガニック・デザイン
Organic Design

『オーガニック・デザイン-21世紀を拓くコンセプト』
三井 秀樹 著
(平凡社)
1940年、ニューヨーク近代美術館にて「近代家具のオーガニック・デザイン」と題するコンペが開催され、チャールズ・イームズとエーロ・サーリネンが共同で提出した「オーガニック・チェア」が椅子部門の第一席を獲得した。2人は成形合板を用いれば自由な曲線と曲面を備えた家具を低コストで量産できることに注目し、背と座を一体化して柔らかみのある3次元成形を施した椅子を作りだしたのである。そもそもオーガニック・デザインという名称は、生体組織が必ず有機物(炭素)を含んでいることにちなんで、生命的な躍動感やエネルギーを感じさせるデザインということで発案されたものであるが、それに対して2人が示した回答は、動植物の自然な丸みや柔らかみを連想させる3次元曲線のデザインというものであった。このように、自然発生というよりはコンセプト先行型の由来をもつオーガニック・デザインだが、現在では自然な曲線美を実現するデザインという意味で幅広く定着しており、バロックやアール・ヌーヴォーのような伝統的な様式の再解釈やフラクタル幾何学のような先端テクノロジーに由来する造形まで、オーガニック・デザインという比喩によって語られることが少なくない。




