実験工房
Jikken Kobo(Experimental Workshop)

『モビール・オブジェ(回転する面による構成)』北代省三
撮影:北代 省三
東京国立近代美術館所蔵
提供先:川崎岡本太郎美術館
多くの若手作家からなる前衛芸術グループ。1951年、日本橋髙島屋にて開催されたピカソ展の前夜祭をきっかけに結成された。命名者は詩人・美術批評家の瀧口修造で、彼の周囲に集ったメンバーは園田高弘、福島秀子、武満徹、湯浅譲二、鈴木博義、佐藤慶次郎、北代省三、秋山邦晴、山口勝弘、駒井哲郎、福島和夫、今井直次など美術、音楽、文学の各ジャンルに跨っていた。1952年~1955年にかけて毎年実施された主催公演では、アルノルト・シェーンベルクの『月に憑かれたピエロ』、オリヴィエ・メシアンの『前奏曲集』、『世の終わりのための四重奏曲』、『アーメンの幻影』の日本初演など音楽が中心を占めていたが、その活動は絶えず美術との協働がはかられ、そのなかから北代や山口の造形作品が生まれてきた。創作バレエ『生きる悦び』を上演し、またテープレコーダーやスライド写真を導入するなど、総合芸術やメディア芸術という観点からも、戦後美術史上いち早く重要な足跡を残している。グループは1957年に解散するが、ここを拠点に最初期の作品発表を行っていた武満徹は、ちょうどこの年に作曲した『弦楽のためのレクイエム』がストラヴィンスキーに絶賛され、その後の世界的評価の礎石を築いた。




