脱構築
Deconstruction
『デリダ』ジェフ・コリンズ 著
鈴木 圭介 翻訳
(筑摩書房)
フランスの思想家ジャック・デリダの中心をなす思想。ハイデガーの『存在と時間』に登場する「Destruktion」という概念を独自に解釈し、破壊のみならず建設的な意味合いを持たせたもので、内部/外部、自己/他者、善/悪、男/女など、古代ギリシア以来の西洋形而上学が確立してきた二項対立を打破し、そこから新しい差異を生みだそうとする意図を持つ(デリダはそうした新しい差異を、従来の差異「différence」と差別化するために差延「différance」と命名した)。1960年代にこの概念を着想して以来、デリダは多くの著作を通じてさまざまな問題を提起し、フランスの思想界で大きな議論を呼んだ。本来は哲学の概念だが、その議論は海を越えてアメリカにも波及し、ポール・ド・マンをはじめとする批評家が文学のテキスト解釈に応用、「脱構築派」と呼ばれる大きな勢力を築いた。さらに1980年代には、フランク・O・ゲーリーやピーター・アイゼンマンらの装飾的なデザインが脱構築にたとえられるなど建築の分野にも影響が及び、1988年にはニューヨーク近代美術館(MoMA)にて「脱構築の建築」展が開催された。デリダ自身もアイゼンマンとの協働を試みたことがある。




