ベンヤミン「複製技術時代の芸術作品」
Das Kunstwerk im Zeitalter Seiner Technischen Reproduzierbarkeit

『複製技術時代の芸術』
ヴァルター・ベンヤミン 著
(晶文社クラシックス)
ドイツの批評家ヴァルター・ベンヤミンが著した複製芸術論。「芸術作品は、原理的には、常に複製可能であった」との書きだしで始まる同書は、古代ギリシアにおけるブロンズ像、テラコッタ、硬貨に複製芸術の起源を見出し、その後中世期の銅版や腐蝕銅版、19世紀初頭のエッチングへと展開されていく複製芸術の系譜を追っていく。なかでも、19世紀中頃に登場した写真は複製芸術の革命的な転機として位置づけられており、ベンヤミンはその技術的核心を「この技術によって人間の手が形象の複製のプロセスの中でこれまで占めていたいちばん重要な役割から、はじめて解放されることになった」と評した。この指摘は、オリジナルと変わらない質のコピーを大量生産することが可能な写真が、唯一無二の存在であることに由来する芸術の「真正性」を、ひいてはオリジナルの作品のみがもつ「アウラ」を大きく揺り動かし、またそれと同時に美術作品の観賞形態が唯一無二の「アウラ」を珍重する礼拝価値から、多くのモノ自体の価値を等閑視しようとする展示価値へと移行したという画期的な見解へと繋がっていく。 小著だが、1936年の発表時点でいち早く複製芸術の本質に着目していた優れた先見性によって、著者の代表作であるばかりか、20世紀の最も重要な芸術論のひとつに数えられている。
ペンタゴン
Pentagon
『インサイド ペンタゴン』(DVD)日経ナショナル ジオグラフィック社 著・編集
アメリカ国防総省の本部庁舎。国防総省自体をこのように呼ぶ場合もあるが、多くは庁舎の建物のことを指す。五角形の壁を五層に渡って重ねたような形状をしていることから、ペンタゴンの通称が定着した。ワシントンD.C.郊外のバージニア州アーリントンのポトマック川河畔に所在し、川の向こう岸にはワシントン記念塔が建つ。陸軍省の本部が手狭になったため新しい本部庁舎が必要となり、1941年9月に着工、鉄骨をあまり使わない工法によって急ピッチで工事が進められ、1943年1月に竣工した。工事を担当した陸軍工兵隊を指揮したレズリー・グローブスは、マンハッタン計画を指揮して原爆開発を推進した軍人でもある。敷地面積は29エーカー(中央の中庭は5エーカー)、延床面積は61万6540平方メートルに達し、世界最大のオフィスビルのひとつに数えられる。5階建てで高さは24メートルと低いが、各階に環状の通路が廻らされるなど、スムーズな移動を最優先した導線が確保されている。第二次世界大戦後の1947年に陸軍省より改組された国防総省の本部となり、現在では陸・海・空軍と海兵隊の4軍の本部機能が置かれている。2001年9月11日の同時多発テロの標的となったが、早期に機能を回復した。




