ビル・ヴィオラ
Bill Viola(1951-)
『ビル・ヴィオラ はつゆめ』ビル・ヴィオラ 著
(淡交社)
アメリカの美術家。ニューヨーク生まれ。シラキュース大学視覚・舞台芸術学部卒業。大学在学中の70年よりビデオ作品の制作を開始し、72年には処女作『野生の馬』を発表。大学卒業後はナム・ジュン・パイクのアシスタントなどを務め、独立後は各地で旺盛な制作活動を展開し、音と映像で会場全体を包み込む大規模なビデオ・インスタレーションによって世界的な名声を確立、21世紀以降はプラズマや液晶モニターの使用にも着手して新境地を切り開いた。作風としては、時代の最新テクノロジーを積極的に活用するいっぽうで、90年代以降は命、誕生、死、再生、感情といった普遍的なテーマを扱う傾向を強めており、そのピクチャレスクな画面にはさながらカトリックの宗教絵画を思わせる荘厳な趣がある。そのいっぽうで、1980~81の約1年半日本に滞在し、ソニーのアーティスト・イン・レジデンスにて代表作の『はつゆめ』を制作したことから、禅や能などの伝統的な日本文化の影響を指摘する意見も少なくない。ヴェネチア・ビエンナーレのアメリカ館代表作家として出品するなど国際経験も豊富で、1997年にはICCで、2006年には森美術館で個展が開催された。
ヴィデオ・アート
Video Art
アーティストが撮影・制作したヴィデオ作品の総称。制作媒体にヴィデオを用いている点でフィルム撮影の実験映像とは区別されるほか、上映にあたってもスクリーンと同様にモニターを用いることが多い。ハプニングやイヴェントの様子をヴィデオに収録したり、抽象的な図像をモニターにうつしたり、作品の傾向はきわめて多岐にわたる。起源には諸説あるが、1963年、フルクサスのアーティストであったナム・ジュン・パイクがドイツ・ヴッパタールのパルナス画廊で展示したインスタレーション作品を史上初のヴィデオ・アートとみなす見解が有力。ちょうどこの時期に世界初の家庭用VTRとポータブルVTRが開発・市販されたことも多くのアーティストの関心を後押しした。代表的な作家としては、パイクのほかにビル・ヴィオラ、ブルース・ナウマン、ウッディ・ヴァスルカらが挙げられる。彼ら第1世代の多くがヴィデオ・アートをコンセプチュアルな枠組みでとらえていたのに対して、アントニオ・ムンタダスやピーター・ウェイベルら次世代の作家は、ヴィデオがひろく普及し観客の視線がおおきく変化したことを受け、また違ったアプローチを試みるようになった。日本では山口勝弘や中谷芙二子らが先駆者として、藤幡正樹らがその次を担う世代として知られている。
周期表
Periodic table
元素を原子番号に従って配列した表。配列の規則のことを周期律ということからこう呼ばれる。周期律という考え方は古くから知られていたが、今日用いられている周期表は、1869年にロシアの物理学者ドミトリ・メンデレーエフによってその基礎がつくられたものである。周期表の作成にあたって、メンデレーエフは天然の諸元素を原子量の順に配列することによって、さまざまな関係や科学的挙動が現れることを発見した。今世紀になって、この周期表の研究をさらに推し進めたのが、デンマークの理論物理学者ニールス・ボーアである。量子力学の研究でアインシュタインと並び称されるボーアは、1913年には電子が原子核の周りを回っているボーア・モデルと呼ばれる原始モデルを考案、1921年にはさらにそれを発展させるかたちで、より厳密な周期律のモデルを発表し、翌1922年にはこの研究を含めた原子物理学への貢献によってノーベル物理学賞を受賞した。なおボーアは1927年には相補性を提唱するなど、その後も画期的な研究によって科学やテクノロジーの発展に大きく寄与したが、その原子理論がアメリカの原爆開発に利用されるなどの一面もあった。



