A・M・カッサンドル

[ 1930年代, , ]

フランスのポスター・デザイナー。本名アドルフ・ジャン=マリー・ムーロン。ウクライナのハリコフに生まれ、後にフランスに移住し、アカデミー・ジュリアンで美術を学ぶ。1920年代初頭より、ギリシア神話の預言者カッサンドルにちなんだペンネームを名乗ってポスター・デザインを発表しはじめ、1925年のパリ現代装飾美術・工芸美術国際博覧会(通称アール・デコ博)でポスター大賞を受賞し、一躍最前線に躍り出た。代表作に『北極星号』『北方急行』(1927)、『アトランティック号』(1931)、『デュボ・デュボン・デュボネ』(1932)、『ノルマンディー号』(1935)など。その船や列車のポスターは都会的な雰囲気とテクノロジーやスピードへの強い憧憬を感じさせるアール・デコ色の強いものであり、またキュビスムの影響と思しき幾何学的な造形にも際立った特徴があった。従来は画家の仕事とされていたポスター制作を広告デザインの1ジャンルとして確立し、またフィクス・マソーらの弟子を養成したことから「現代ポスターの父」とも呼ばれており、イヴ・サンローランのロゴデザインを手がけたことでも知られている。第2次大戦後は舞台美術や雑誌のデザインにも手を広げたが、人気が衰えるなど不遇な晩年を過ごし、失意のうちにピストル自殺した。

ガイア理論

[ 1970年代, ]

『ガイア理論』 第1回文化庁メディア芸術祭デジタルアート〔インタラクティブ〕部門優秀賞『ファイナルファンタジーVII』

地球自体が生物圏、大気圏、大洋、大地などをひっくるめて、ひとつの巨大な生命体であるとみなす理論。ガイア仮説ともいう。当初は自己統制システムと呼ばれていた。イギリスの科学者ジェームス・ラブロックが1979年に出版した『ガイアの時代』のなかで提唱した。ギリシャ神話の女神ガイアに由来する理論の名は、1983年にノーベル文学賞を受賞した作家ウィリアム・ゴールディングの提案による。NASAで惑星研究に従事し、宇宙船バイキング号の火星探査計画に深く関ったラブロックは、火星の大気の組成が地球と大きく異なるいっぽうで、地球の大気が生命システムに酷似しているかに着目し、極めて多様な生物層を生みだした地球全体を一種のエコシステムと考える立場に行きついた。この理論はエコロジーや生態学の分野からは多くの支持を得たが、半面リチャード・ドーキンスやスティーヴン・J ・グールドらの著名な生物学者は、惑星には生物の個体のように進化論が当てはまらないことなどを理由に反対を表明、ラブロックも多くの批判を踏まえて理論の改訂に取りくんだ。人気RPG『ファイナルファンタジー』のシリーズ作品にも、この理論の影響がうかがえるものがある。

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