コンセプチュアル・アート

[ 1970年代, ]

『岩波 世界の美術 コンセプチュアル・アート』 『岩波 世界の美術 コンセプチュアル・アート』
トニー・ゴドフリー著

岩波書店

「概念芸術」。美術の形式的な側面よりも観念的な側面を重視した制作活動の総称。絵画や彫刻に加え映像なども幅広く活用し、文字、記号、音などの非物質を制作素材とする場合も多い。対象範囲はきわめて広く、古くはマルセル・デュシャンやダダイストらの実験もこれにふくめて考えることができるが、現代美術の文脈では、フルクサスによる一連の実験を最初期のものとみなし、1960年代後半~1970年代前半に盛期を迎えた動向と考えるのが一般的である。これは、代表作家の1人と目されるジョゼフ・コスースが「概念としての概念としての芸術(Art as Idea as Idea)」というコンセプトにもとづいて言語や記号をもちいた作品を制作し、当時強い影響力を有していたフォーマリズムの超克を自らの制作目的として示したことが大きい。そのため、ヨゼフ・ボイス、ソル・ルウィット、ダニエル・ビュランなど、他の代表作家にもフルクサスやミニマル・アートの出身者が多く、問題意識の連続性が認められる。河原温、荒川修作、松澤宥らの作品もこの動向にふくめて考えることができる。