暮沢 剛巳 (くれさわ たけみ)
1966年生まれ。美術評論家。
武蔵野美術大学、多摩美術大学、女子美術大学、跡見学園女子大学、桑沢デザイン研究所非常勤講師。
著書に『美術館はどこへ』『「風景」という虚構』『美術館の政治学』『現代アートナナメ読み 今日から使える入門書』、近刊に『現代美術キーワード100』(仮題)がある。
ヌ
ヌーヴェルヴァーグ
Nouvelle vague
『ゴダールに気をつけろ!』杉原 賢彦 編集
(フィルムアート社)
「新しい波」。1950年代末に起こったフランスの若手作家による新しい映画運動を示す言葉で、1957年に「エクスプレス」誌が「新しい波来る」というコピーを掲げたことが起源とされる。具体的には、「カイエ・デュ・シネマ」の主宰者であった映画評論家アンドレ・バザンの強い影響下にあったカイエ派(セーヌ右岸派)と、モンパルナス界隈を拠点にドキュメンタリー色の強い作品を制作していたセーヌ左岸派とに大別され、それぞれ前者はジャン=リュック・ゴダール、フランソワ・トリュフォー、エリック・ロメール、クロード・シャブロル、ジャック・リベット、後者はアラン・レネ、ジャック・ドゥミ、アニエス・ヴァルダらを代表格とする。いずれにも属さない作家としてはロジェ・ヴァディムやルイ・マルが挙げられる。彼らの多くは、三文小説などを原作に、即興演出、同時録音、ジャンプカットなど、伝統的な文芸映画などとはまったく異なる映像文法に基づく作品を制作して観客の驚きを誘い、マルの『死刑台のエレベーター』(1957年)やゴダールの『勝手にしやがれ』(1959年)などの傑作を通じて、その名声は国際的なものとなった。



