Vol.2 藤木 淳

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PCの画面上に、ブロックで立体をつくり、落とし穴をつくる。そして、あり得ないような動きをする人たちが、画面上を歩き回る…。まるで、だまし絵のような世界が、目の前で展開される『OLE Coordinate System』。藤木さんは、このソフトウェアで第10回文化庁メディア芸術祭アート部門優秀賞を受賞した。自分が発見したことを多くの人に共有してもらう。そんなテーマで作品をつくりつづけている藤木さんに、作品のコンセプトや制作、着想、文化庁メディア芸術祭との関わり、そして今後の展開についてうかがった。

[Interview 4] the influence

――プログラミングは、いつごろからやっていたのですか?
中学生のときからゲームのプログラミングをやっていました。同時に、市販のゲームもプレイしていました。大学に入ってからは、プログラミングをしてゲームをつくるほうがおもしろくなって、プレイするのはやめました。
でもゲームの影響は受けていると思います。ファミリーコンピューター(ファミコン)など、昔のゲームって、現実にはありえないけれど、それをありえるように見せる工夫がなされていましたよね。たとえば、「フラッピー(FLAPPY)」というゲームでは、主人公が石を運んでゲームを進めます。穴があると、石は重力で下に落ちるんですが、主人公は落ちないんですよ(笑)。落ちなくても違和感なくプレーできるようなつくりに、そのゲームがなっています。
もうひとつ影響を受けたゲームがあります。それは「ウィザードリィ(Wizardry)」です。3Dのダンションを克服していくゲームですね。セーブができないので、途中でキャラクターが死ぬと、はじめからやり直さなければならない。だから、綿密な計画を立てて、ゲームを進める必要がありました。このゲームは、ゲームボーイではじめて、ファミコン、そしてスーパーファミコンでやりました。

――では、影響を受けた人物はいますか?

藤木 淳
大学院でお世話になった指導教官の先生方には感謝しています。とくに、学部時代にお世話になった細谷多聞先生からは、多くの刺激を受けました。専門はデザインだったんですが、いまでいうメディアアートに近い仕事をされていました。当時の私は、インダストリアルデザインを専攻していて、こてこてのデザインしか知りませんでした。ところが、型どおりではなく、テクニカルなデザインというものもあるということを、細谷先生に教えてもらったのです。いまは富松潔先生のもとで指導を受けています。
あとは、エッシャーですか(笑)。中学の美術の教科書でエッシャーの存在と作品を知りました。繰り返しになりますが、私はエッシャーを意識して作品をつくっていません。しかし、確実に彼の影響は受けていると思います。

[Interview 2] A work & future

――これまでつくった作品には、どんな共通点があるのでしょうか?
最近の作品では、「実世界ではあり得ないことが、人間の内面ではあり得る表現」と、その表現を成り立たせるための解法を示すことです。

――現在、どんなプロジェクトにかかわっているのですか?
これまでつくった作品とは違ったかたちで、見ると違和感を感じるようなものをつくろうとしています。

――気に入っている作品、その理由を教えてください。
すべての作品を気に入っていますが、しいて言うならば『OLE Coordinate System』です。 多くの方々との出会いのきっかけとなった思い出深い作品です。

――今後はどのような作品を手がけていくのでしょうか?
いまのテーマで作品をつくりつづけるつもりはありません。普段、忘れていることや気づいていないことって、けっこうあると思います。それを発見し、その発見を作品で表現する。そして、その発見を、作品を見た人と共有することができればいいと思っています。