vol.13 横浜トリエンナーレ 2008

  • 展覧会ガイド
  • キュレイターの声

キュレイターの声

【写真】水沢 勉水沢 勉
「横浜トリエンナーレ 2008」
総合ディレクター

「横浜トリエンナーレ 2008」は、2005年に行なわれた第2回展を踏まえて、一昨年前から本格的な準備をはじめました。そのとき提案したのが、「タイムクレヴァス(時間の裂け目)」というテーマです。現代の表現のなかで時間的な要素を考えさせる作品、また、芸術がこんな風に時間を写すのか、ということがわかるようなアートを、ぜひ、皆さんにご覧いただこうと提案しました。

この展覧会には、私のほかに、ヨーロッパやアジアの5人のキュレイターがかかわっています。彼らと議論をくりかえす過程で生まれたのが、「パフォーマンスを取りこみたい」というアイデアでした。会場にただ作品が展示されているのではなく、パフォーマーの身体がかかわる要素を「くさびのように」打ちつけたい。現在、世界各国でさまざまなビエンナーレやトリエンナーレが行なわれていますが、本展とそうした国際展との違いは、まず、「パフォーマティブである」ということだと思います。

【写真】日本郵船海岸通倉庫(BankART Studio NYK)
日本郵船海岸通倉庫(BankART Studio NYK)

また、今回は会場が4つに分散していることもテーマと不可分に結びついています。たとえば、パフォーマンスの舞台となる赤レンガ倉庫1号館は、明治の近代化を象徴する横浜の重要な建物です。またメイン会場のうちのひとつである新港ピアは、つい最近竣工したばかりの21世紀の建築。そして、もうひとつの会場である日本郵船海岸通倉庫は、昭和初期に建てられました。また、大変幸福なことに、今回はサテライト会場として、三渓園も使わせてもらっています。こちらは20世紀になってからの造園ですが、室町時代や桃山時代の古い建築がたくさん建っています。このように、さまざまな時代に建てられた建築空間のなかで、現代作家のアートやパフォーマンスを見ることで、横浜という場所を深く見なおしていただければ嬉しいです。

ただ、映像作品やパフォーマンスが多いので、じっくり見ようと思うと、十分な時間が必要になると思います。2日間有効のチケットを最大限利用して、さまざまな発見をしていただきたいと思います。

ページ上部へ戻る

Pick Up Archive 今こそ読みたい。これまでの記事をご紹介

中村 勇吾

巨匠インタビュー
中村 勇吾

ボツになるほど、引き出しが増えていくということですから...

トーチカ

作家インタビュー
トーチカ

作品をつくろうと思ってつくったものじゃないんです。始まりは...

竹宮 惠子

巨匠インタビュー
竹宮 惠子

スランプでも描くことをやめなかったことが、一番私を救ったと思う...

渋谷 慶一郎

コラム:データミュージアムは可能か? 渋谷 慶一郎

電子音楽とメディアアートの関係について考えてみると、その2つの...

押井 守

巨匠インタビュー
押井 守

実写であれ、アニメであれ、僕が一貫してやってきたことは...