長谷川 祐子
東京都現代美術館 チーフキュレイター
池田亮司はサウンドコンポーザーで、メディアを使ったアーティストです。今回、池田亮司の展覧会を東京都現代美術館で開催するにあたり、メディアアートセンターなどで行なわれてきたこれまでのブラックボックスでの展示から彼を解放し、いま池田亮司が持っている方向性を見せられる展覧会にしたいと考え、このような構成になりました。
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- 『the transcendental (π) [no1-a]』(2009)
1階のダークルームは壁の仕切りが一切なく、そのなかを歩くことにより『data.tron』や『data.matrix』という作品が鑑賞できるように構成されています。それをひとつひとつみても、まるで非科学的抽象絵画を見るような凄まじい密度があり、そして目の前に展開されているデータが、どのように彼の解釈・翻訳で再構築されているのかという圧倒的体験をしてもらえると思います。彼が編成したさまざまなシグナルと映像が、音とまったく同じように完璧に私たちの身体にふれるように構成されている、新しい言語の発表と思っていただければと考えています。
地下2階は、真っ白な空間です。一番手前の白いプリントはマレーヴィチへの参照のようであります。また、ある意味、非常に形式主義的で絵画のような黒いプリントが12点続きます。そして奥にあるスピーカーからは、池田亮司独自のサウンド・インスタレーションが展開されています。
この白と黒という空間がアーティスト・池田亮司にとって今後どのような新しい展開に結びついていくのか。また、形式主義的なモダンアートの継承者でありながら、非常にカオティックな情報世界に立って極北を提案している、ある意味でのオルタナティブモダンの提唱者としての池田亮司の姿をみていただければ幸いです。
池田亮司の作品は、膨大なデータを扱うことで、現代に生きる私たちがいま直面しているリアリティをみごとに融合しているすばらしいインスタレーションだと思います。
(2009年4月1日東京都現代美術館での記者会見にて)















![vol.16 池田亮司+/−[the infinite between 0 and 1] vol.16 池田亮司+/−[the infinite between 0 and 1]](/museum/oste/vol16/images/bn_vol16.gif)

















