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文化庁メディア芸術祭ウィーン展 2009 レポート

2009年9月12日から9月20日まで「文化庁メディア芸術祭 ウィーン展2009」(Japan Media Arts Festival in Vienna 2009)をウィーンのMQW(ミュージアムクォーター・ウィーン)内にあるOvalhalleとArena21で開催しました。メディア芸術祭としては2002年の北京展、2007年の上海展、2008年のシンガポールに続き、4回目の海外展であり、今回は初のヨーロッパ開催となりました。
会場となったMQWは、宮廷の厩舎から生まれた文化ゾーンです。クンストハレ・ウィーン、近代美術館ルードヴィヒ・コレクション・ウィーン、レオポルト美術館などの美術館をはじめ、現代美術の活動拠点であるクォーター21や、モダンダンスとパフォーマンスを専門とするダンスクォーター・ウィーンなど、新しいアート表現のための施設が集合したクリエイティブな文化発信エリアで、まさに今回の展示にふさわしい場所と言えるでしょう。

メディア芸術祭ウィーン展のテーマは“OTO(音)” メディア芸術祭受賞作を中心に「音」をモチーフとした作品を展示


平成20年度(第12回)文化庁メディア芸術祭ではエンターテインメント部門で『TENORI-ON』が、マンガ部門では『ピアノの森』がそれぞれ大賞を受賞するなど、音をテーマにした作品が多数受賞しました。 歴代受賞作品を見ても音にまつわる作品は多くあります。そのようなことからメディア芸術祭ウィーン展を開催するにあたり、 「日本人ならではの音の感性と表現」に焦点を当て、さまざまなメディア芸術作品を紹介することにしました。
情感とともに移り行く四季と豊かな自然風土のなかで暮らしてきた日本人ならではの音の感覚や感性、音をことばに変換する「音喩」の感性など、日本独特の文化を浮き彫りにしながら、音を「聴く」ことのみならず、音を「奏でること」「見ること」「読むこと」のおもしろさと「五感のつながり」について、多様な作品表現を通じて体感できる展覧会を目指しました。 展示構成も、メディア芸術祭の12年間の歴代受賞作品を中心に、「音を奏でる」「音を読む」「音を観る」という3つのゾーンで構成しました。


[ ZONE1 ] 音を奏でる Make Sound
[ ZONE2 ] 音を読む Read Sound
[ ZONE3 ] 音を観る Watch Sound

賑わいを見せたオープニングレセプション


メディア芸術祭ウィーン展の一般会期が始まる前日の9月11日夜に、会場上階のバロック・スイートでオープニングレセプションが開かれました。このレセプションには、作品展示のために渡航したアーティストの他、アルスエレクトロニカのディレクターであるゲルフリート・シュトッカー氏をはじめとするアートフェスティバルの関係者、ウィーンにあるアート系の大学関係者、現地メディア関係者などが参加し、会場は大勢の人で賑わいました。
会場となったバロック・スイートと呼ばれるレセプションホールでは、後援をいただいた在オーストリア日本国大使館の
田中映男特命全権大使と、 オーストリア政府からは外務省文化局海外文化局長のクラウディア ロヘル=ラウリッヒ氏にご挨拶のスピーチをいただきました。

また、主催者代表としてスピーチを行なった玉井日出夫文化庁長官は、今年が日本・オーストリア外交関係開設140周年という記念すべき年にあたること、文化庁メディア芸術祭が過去10年におよんでオーストリアと親密な交流を重ねてきたこと、アルスエレクトロニカでの展示「JAPAN GAME」や本展覧会のテーマ「音」について触れ、参加者や関係者の皆さんに歓迎と感謝の言葉を贈りました。

 
オープニングでのライブパフォーマンス


また、一般来場者を対象に展覧会場で開催されたオープニングでは、第11回メディア芸術祭で審査員推薦作品に選ばれた『SONIC Floor』の石橋素さんと真鍋大度さんのお二人に会場シアターでライブパフォーマンスを行っていただきました。 会場の特設スクリーン前で行われたライブパフォーマンスは3つのパートに別れています。

1つ目は今回の展示作品である『Command Line Wave』のキューブを使用した来場者参加型のセッションとなりました。光るキューブのパターンは、スピーカーから発せられる音をコマンド(命令)として内蔵マイクで正確に受けることで変化します。満員の会場でキューブを手にした参加者は、手を伸ばして天井近くのスピーカーから発せられるコマンドをキューブに受け取らせようとし、光るキューブの先に参加者の注目が集まり、会場に一体感が生まれていました。

2つ目のパート『pa++ern』は7月に発表されたばかりの最新作で、制作された刺繍用のプログラムとそのインスタレーションで構成されています。プログラムでは、参加者が打ち込んだ記号がデザインに変換され、工業用ミシンでTシャツに刺繍されます。今回のライブでは、刺繍用のデザインデータがサウンドファイルに変換され、会場に流されたそのサウンドによって再度生成された刺繍パターンがスクリーンに投影されるという初めての試みが導入されました。
さらに筋電センサーでサウンドとともに顔を動かす『Face Visualizer』の作品映像の後、口の中で光るLED が参加者に手渡され、最後のセッションが始まりました。制御されたこの装置は、会場で流れるサウンドとシンクロして光が自在に変化します。LEDを口に含み、イーと歯を食いしばると口の中から光が透けて発光します。LEDを口にした参加者は、体の一部を楽器のようにしてしまうこの装置を楽しんでいました。


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